坂本冬美&一路真輝、ザ・ピーナッツをオマージュ

 大阪・新歌舞伎座で31日まで上演中の「坂本冬美」特別公演で、座長の冬美(58)と共演の一路真輝(60)の2人が第二部のプレミアムステージで昭和を席巻した双生児ディオ、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」「恋のフーガ」など3曲をカバーして熱唱。その完成度の高さに高齢者が多い客席がざわめいている。

ザ・ピーナッツのカバー曲を歌う冬美(右)と一路(撮影:河上良)

 ザ・ピーナッツは1959年にプロデビューした伊藤ユミ・エミの一卵性姉妹。ハナ肇とクレージーキャッツと組んだ「シャボン玉ホリデー」、前田武彦・芳村真理が司会の「夜のヒットスタジオ」など人気テレビ番組で活躍。映画「モスラ」の双子の妖精役などドラマでも活躍。75年に引退後は表舞台から一切姿を消した。

第一部「弁天お春騒動記」での一路(左)と冬美(撮影:河上良)

 冬美自身は「私は今年58歳、デビュー39年目で真輝さんも同世代。ザ・ピーナッツさんはその10年以上前に引退されています。私たちはさすがにザ・ピーナッツさんをよく聞いた世代ではなく、ピンクレディーとキャンディーズがあこがれでした」と説明。

 2人はまるで姉妹のようにピッタリとハーモニーを利かせたデュエットを披露。演歌の女王と宝塚歌劇団の元男役トップが組むと、元のザ・ピーナッツをリスペクトしつつ冬美と一路の味わいが色濃く浮かんだ独自の和製ポップスの出来上がり。息のあった唯一無二の歌声に、客席からは「アンコール!」の声も飛ぶほど。

新歌舞伎座前ののぼりも2人で仲良く並んで

 歌謡ステージでは、第一部の芝居「弁天お春騒動記」で役者として出演中の俳優・中村梅雀がエレキ・ベース、同・相島一之がハーモニカで参加、同じくミュージカル俳優・竹内將人と夢咲ねねが歌い踊る何とも立体的な構成。

新歌舞伎座「坂本冬美 特別公演」のポスター

 冬美と一路はテレビドラマで共演して以来プライベートでは親交が続いたが舞台共演は今回が初。冬美は「昨年は五木(ひろし)先輩の座長公演に出して頂き、ほぼ毎年関西の皆さんには舞台をご覧頂いています。2年ぶりの座長公演は緊張しますが楽しい。スタートした10日はまだ大阪・関西万博開催中で、新歌舞伎座で私がやっている事を未だご存じない方も。今年はちょっと趣向を変えてみましたのでぜひ」と終盤ゴールに向け、張り切っている。

(畑山 博史)

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