【吉村府知事番記者】府、発熱外来の体制拡充 8波への備え 検査、保健所体制は


▲早期のワクチン接種を呼びかける吉村知事

 大阪府は新型コロナウイルス第8波や季節性インフルエンザの流行に備え、発熱外来の体制の拡充を進めている。市町村と医師会に要請し、休診となる医療機関が多い日曜、休日、年末年始に市町村内に1カ所以上の臨時発熱外来を設置する。市町村が休日急病診療所や公立の医療機関などを活用して臨時発熱外来を設け、地域の医師会が医師を送って診察する。8波で逼迫(ひっぱく)が予測される発熱外来の準備が一定整うことになるが、PCR検査や保健所の体制はどうか。11月30日の記者会見で、吉村洋文知事の認識と今後の対応について聞いた。

 吉村知事は新型コロナの感染状況について「今現在は第7波の時のように急激な大きな波にはなっていないが少しずつ増加している。第8波の到来に備えて事前のワクチンの接種、検査キットと解熱剤の家庭備蓄を全世帯の方にお願いしている」と現状を説明した。

―関西広域連合は国へPCR検査を拡大することを提案している。現在の府の検査体制の状況と今後の強化は。

 「検査そのものについては、無料検査場、さまざまな検査医療機関、自己検査も含めて非常に強化されている。今後、この感染症をどういう扱いにしていくのかという国の考え方とも並行しながら、検査体制について考えていきたい」

―保健所機能の強化で、保健師の増加や基礎自治体との提携については。

 「コロナが発生して職員も保健師も増やしている。中核市や政令市じゃないところについては府管轄の保健所があり、連携してコロナ対策を強化してきた。今後については、コロナのウイルスをどう扱うのかという議論を国でやっており、そこを踏まえて判断していく」

―中核市、政令市は保健所を持っていても逼迫の度合いが地域によって違った。府のほうで連携をさせていく考えは。

 「現実に逼迫した際にも府の保健所、政令市や中核市の保健所との連携は進めてきた。ある程度は確立された。コロナの対策をどうしていくのかという大きな方向性にも関わってくる。全数把握は見直され、全て保健所で把握することはなくなった。コロナの株の特性に応じて変わってきた。コロナの指定感染症の扱いをどうするかという議論が行われていることも踏まえ、保健所の在り方は考えていく」