「御免札掲揚」浪速の春を彩る大相撲大阪場所が開幕へ

 「浪速の街に春を呼ぶ」と言われる大相撲春場所(3月9日初日)の会場となる大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)の入り口に10日、「蒙御免」(ごめんこうむる)と大書された木製の看板が掲げられ、先発事務所の伊勢ノ海部長(元前頭北勝鬨)ら担当の親方衆が、大入り満員と事故防止を誓い合った。

御免札掲揚の作業を見守る高崎親方(右)=エディオンアリーナ大阪玄関

 看板は江戸時代の大相撲が時の幕府の許認可を受け興行を行う証明として掲げられていたもので、今でも本場所の開催地や番付表中央に「蒙御免」と大書する習慣がある。縦2㍍、横36㌢の看板は、木の台座に据えられ高さ4㍍以上あり、大柄な親方衆も見上げる位置に固定された。

 大阪場所は年6場所の中でも従来から人気が高く、担当3年目の同部長は今年も既に前売りチケットが協会取り扱い分の全日程が発売日当日にほぼ完売となった事を明かし「場所前に新横綱豊昇龍が誕生した事で例年以上の人気。熱心なファンの方から〝チケットが手に入らない〟とお叱りを受けている。横綱大関が地位にふさわしい相撲を連日見せてくれると期待している」と満足げな表情。綱盗りに遅れを取った大の里、琴桜の両大関に加え、先場所優勝争いを演じた王鵬や金峰山、さらに人気の兄弟力士若元春と若隆景が平幕に下がり虎視たんたんと金星を狙うなど混戦への期待も広がる。地元大阪府寝屋川市出身の宇良と豪の山も平幕上位に位置するとみられ、同部長は「ご当地力士に対する声援は毎年熱い。彼らも頑張って場所を盛り上げてくれるでしょう」と笑顔に。

出来上がった御免札の前でポーズを取る日本相撲協会大阪先発事務所所属の親方(右から2人目が伊勢ノ海部長)

 場所後の4月には大阪・関西万博が開幕。大相撲も8月に会場内で万博場所巡業を無料開催することが決まっており、高崎親方(元前頭金開山)は「春場所が終わったら万博ですよ」とPRのぼりを掲げてアピール。春場所前のPRイベントも盛んで、26日夜には西日本学生相撲連盟主催の「学生出身力士を励ます会」(入場料1万5千円)が5年ぶりにホテルアウィーナ大阪で開催。3月2日昼下がりには梅田ターミナルで「春がキタ!うめきた場所inグランフロント大阪2025」(入場無料、整理券必要)が開かれる。

 また「御免祝(ごめんいわい)」と名付けられた大相撲後援者を招いた会議と懇親会が大阪市内のホテルで開催され、春場所日程として▽新番付発表25日朝▽力士会26日午後1時(同体育会館)▽新弟子検査3月1日午前10時(大阪けいさつ病院)▽横綱奉納土俵入り同日午後1時(住吉大社)▽取り組み編成会議7日朝(同体育会館)▽土俵祭8日午前10時(同)▽夏場所番付編成会議26日朝(同)などが報告された。

(畑山 博史)