【シニアの職場拝見】患者と病院の〝潤滑油〟役を果たす

 「人生100年時代」―。健康寿命を延ばすには、地域社会や人と交流し、生きがいを持って暮らすことが重要だ。60歳以上のシニア世代がいきいきと働ける機会を提供する、門真市シルバー人材センターの会員を取材した。

摂南総合病院の駐輪場で笑顔で誘導する門真市シルバー人材センターの会員(写真左)

 今回は、摂南総合病院(門真市柳町)で駐輪場の整備業務に従事する会員を紹介する。

 「患者さんから〝ありがとう〟と声をかけてもらえることも多く、やりがいにつながっています」と話すのは、渡武信さん(73)。同病院で働く3人のシルバー会員の中では最も古株で、今年で6年目になる。「乱雑になっていたり、出しにくい自転車を整理することで、患者さんに気持ちよく使ってもらえるように心がけています」と笑顔を見せる。

 シルバーで働き始めてから、健康面でも良い影響があったという。以前の渡さんは、足腰が弱く、真っ直ぐに歩けないほどだったが、今ではすっかり回復。「出勤日は優に8000歩を超えます。収入も得られて体も丈夫になり、一石二鳥です」と満足げ。

 「最初は自分からあまり声をかけることができず、戸惑いもありましたが、今は積極的にあいさつや声かけができるようになりました。顔見知りの人も増えてきて、〝いつもありがとう〟と言ってもらえるのはやっぱりうれしいですね」と笑顔を見せるのは、橋本一司さん(69)。この現場ではまだ5カ月の「新人会員」だ。勤務は1日1人、曜日でローテーションを組んでいるが3人のシルバー会員の連携は欠かせない。「休みの日にふらっと来て、〝大丈夫?困ってない?〟と気にかけてくださる。メンバーに恵まれていますよ」と橋本さんは感謝する。

3人のシルバー会員と摂南総合病院の林総務部長(写真右)

 同病院の林弘康総務部長は「シルバーさんとは30年近くのお付き合いになるが、あれこれ指示を出さなくても職責を果たしてくださり、非常に助かっている。病院と患者さんの潤滑油として、これからも活躍していただければ」と話している。

<取材協力>公益社団法人 門真市シルバー人材センター/門真市中町1-1/電話06(6905)5911