【シニアの職場拝見】いくつになっても新しいチャレンジ

シルバー会員・上杉さん(写真右)とフォーユー門真の玉寄施設長

 「人生100年時代」―。健康寿命を延ばすには、地域社会や人と交流し、生きがいを持って暮らすことが重要だ。60歳以上のシニア世代がいきいきと働ける機会を提供する、門真市シルバー人材センターの会員を取材した。

 門真市三ツ島にある有料老人ホーム「フォーユー門真」で、入居者の暮らしを支えるシルバー会員がいる。2年前から勤務する上杉麻里子さん(71)がその1人。仕事は、管理人業務と入居者の緊急対応。具体的には、各部屋のカーテンの開け閉めや共有部分の清掃、ゴミ出し、そして、万一に備えての連絡などを行う。勤務時間は、午後6~同9時、午前6~同9時まで。途中に仮眠時間があり、無理なく働けるという。

 同施設では、4人のシルバー会員が働いているが、上杉さんは紅一点。交代で勤務するため、会員同士、顔を合わせることはほぼないが、上杉さんの存在がふんわり感を与え、円滑に業務が進んでいる。

 「週に2日ほどの勤務ですが、当初は家を空けるのが心配でした。仕事内容を聞き、“ダメもと”でチャレンジしてみたところ、施設長がとても理解があり、今はここにきて良かったです」と上杉さんは微笑む。

 「明るく、さっぱりした性格なので男性スタッフともうまくやりながら、女性ならではのフォローもあり、チームワークがさらに良くなりました。誰かが病気で休んだ時も、残りの3人が連携し合って業務を回してくれる。勤務に穴をあけたことは一度もない」と同施設の玉寄弘美施設長も全幅の信頼を寄せている。

 建築業界で事務職を続けてきた上杉さんにとって、介護の世界は全くの無縁だった。もし、会員になっていなかったらこの業界には飛び込んでいなかっただろう。「いくつになっても新しいことにチャレンジするのはとても大切」。その言葉を聞いて、上杉さんの生活が今、とても充実していることが分かった。

<取材協力>公益社団法人 門真市シルバー人材センター/門真市中町1-1/電話06(6905)5911