夏休みの〝もうひとつの給食〟大阪でも拡大 吉野家らと連携、5万4000食を提供

 夏休み期間中、子どもの食事支援を目的に、NPO法人「Kids Future Passport(キッズ・フューチャー・パスポート」(代表理事・中本真理子さん)が展開する「こどもごちめし」プロジェクトが22日からスタートした。全国の中学生以下の子どもたちを対象に、吉野家やモスバーガー、はなまるうどんなどの大手飲食店とも連携して合計5万4000食の無料食事を提供する。

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大阪でも広がり、利用方法は?

 この取り組みは持続可能性に課題があるといわれている「こども食堂」をDX化して解決することをテーマに2023年のスタートから全国に拡大。同法人は茨木市をはじめとした自治体とも協力し、ふるさと納税などの寄付機能を導入する実証実験も終え、自治体のための寄付窓口を設置。市域での継続支援体制が強化されつつあるという。

 大阪でも登録飲食店が増えており、大阪市内では西区四ツ橋の「おかん食堂」、心斎橋の「Planet3rd 心斎橋店」「肉バル&チーズダイニングsafari」なども参画している。

 ごちめしプロジェクトは、吉野家3万5000食、モスバーガー1万食、はなまるうどん3000食に加えて過去のクラウドファンディングの支援分を含め、合計5万4000食を提供する。

 利用方法は同プロジェクトの専用アプリでチケットを取得して、店舗で画面を提示すると無料で食事が受けられる仕組み。アプリで近隣の参加店舗を確認し、無償食事チケットが取得できる。対象は中学生までの子どもで月1回、1日1000円分までとなっており、保護者の食事代は対象とならない。

背景にある課題と支援の意義

 低所得一人親家庭の約40%は「夏休みに子どもが1日2回以下しか食べられない」状況にあると報告されている(認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン調べ)。大阪でも学校給食がない期間における食の不安定さは深刻で、地域飲食店を活用した新しい〝もうひとつの給食〟の必要性が高まっている。今後も自治体や外食チェーン、スーパーマーケット、カフェなどへの加盟を促進してより広範な支援ネットワークの構築が望まれる。

 代表理事の中本真理子さんは「子どもたちが待ちに待った夏休みが始まっています。しかし学校給食がなくなるこの時期は、子どもたちの『食』に関する課題が顕在化しやすい時期でもあります。皆さまからのご協賛、ご寄付により、多くの子どもたちへ温かい食事を提供できることとなりました。この活動を単発で終わらせることなく、すべての子どもたちが笑顔で過ごせる社会を目指し、今後も継続的に取り組んでまいります」と話している。

■こどもごちめしプロジェクト
https://kids-future-passport.org/