【中高生の自殺】昨年512人で最多の見込み 文科省「進路指導や見守り活動をていねいに」

自殺
写真はイメージ

 昨年1年間で自殺した小中学生や高校生は512人(暫定値)で、初めて500人を超えて過去最多だったことが厚生労働省のまとめで分かった。これまでの最多は2020年の499人。文部科学省は全国の教育委員会に対し、18歳以下の自殺は、学校の長期休業明けに増える傾向にあると指摘し、「3月は進学や進級の時期で、進路に迷う児童生徒が増えることから、進路指導や見守り活動を丁寧に」と保護者などと連携して対応するように通知した。

 内訳は小学生が17人(前年比6人増)、中学生が143人(同5人減)、高校生が352人(同38人増)。特に高校生の男子は207人と、前年より38人増え全体の4割を占めた。月別では、6月(60人)、9月(57人)、3月(47人)の順に多かった。文科省は「学業の不振」や「入試、進路の悩み」などが関係していると分析。高校生の自殺者の増加が目立つことから、各教育委員会にアンケート調査を行い、原因を分析する。

大阪府、一人で抱え込まずに

 大阪府では、若年者層(40歳未満)の死因の一位が自殺であることから、「『つらい…』『どうしたらいいのか分からない…』。そんな気持ちのときには、一人で抱え込まずにぜひお電話ください。誰かに相談すると、一人では思いつかなかった違ったものの見方や、選択肢に気づくことができるかもしれません。もちろんプライバシーは守られますので、ご安心ください」と呼びかけている。

 各教委などが運営する「24時間子供SOSダイヤル」フリーダイヤル(0120)078310で電話相談を受け付けている。