補聴器と思っているそれ、実は〝別モノ〟かも 〝集音器〟と〝補聴器〟違いとは?

 「大きく聞こえるようになった」「使ってから会話が楽しくなった」と謳(うた)われている、集音器の広告。そこにはハッキリと〝集音器〟と書かれているが〝補聴器〟と思って使っている人も少なくないという。「補聴器を買ったけれど、あまり良くなくて…と相談に来られるが、実は集音器だったというパターンは少なくない」と話すのは、「メガネのかとう古川橋店」の吉浦信幸店長。吉浦さんは一級眼鏡作製技能士で、認定補聴器技能士でもある。

 補聴器と集音器の違いは、一体何なのか。「まず、補聴器は医療機器として法律で認定されているものしか販売できません。しかし集音器はそうした認定が必要ない。そのまま販売することができます」。さらに「補聴器はその人の聞こえ方に合った調整が必要なので、お店に来ていただき、聴力を測る」と、吉浦さん。

 ところがそのことを知らずに「安いから」という理由で集音器を買う人も多いという。もともと集音器は周囲の音を大きくする役割があるため、雑踏や風の音までも拾ってしまう。しかしそうした音を軽減する機能は集音器に備わっていないため、ボリューム調整でしのぐしかない。結局「自分が聞きたい音」を上手く拾えずにボリュームを上げすぎると、最悪の場合、余計に耳が悪くなってしまうケースもあるという。

 吉浦さんは「集音器の音がしんどくて、補聴器に切り替える人もいます。その人が聞き取りにくい音を補うのが、補聴器の役割。変えた途端、毎日の生活が楽しくなったという人も」と話す。最近はスマートフォンと連動させてイヤホンとしても使えたり、相手の声にピントを合わせたりする補聴器もあり、生活により馴染む商品が増えてきた。

Bluetooth機能が搭載された、シグニア補聴器「Signia Active」

 しかし補聴器と認められたものでも、中には細かい調整ができないものもあるので、購入の際は注意が必要だという。集音器も補聴器も耳の穴に直接入れるので、慎重に選ぶべきだろう。聞こえ方に合ったものを選べると良いが、聴力は自分で測ることができない。だからこそプロの認定補聴器技能士のアドバイスをもらいつつ、自分に合った機械を見極めることが大事だとアドバイスしている。

<取材協力>メガネのかとう古川橋店/門真市末広町31-12-112/電話06(6909)2238/水曜定休