【対談】本紙守口エリア編集長 U.K. × 守口市長 瀬野憲一 〝守口愛〟を語り尽くす[前編]

子育て環境、教育の充実へ

2学期から小学校給食を無償提供。任期中には中学校へも(瀬野市長)
学力も大事だが、困難乗り越える力をどう育むか(U.K.)

本紙守口エリア編集長 U.K. × 守口市長 瀬野憲一
瀬野市長(右)に「よもや未来大使の任務を忘れていませんか」とツッコまれるU.K.

 守口市を盛り上げるために本紙守ロエリアの編集長に就任したU.K.。その初仕事は今春、守口市の新たなリーダーに就任した瀬野憲一市長とのインタビュー対談。今号では、ラジオDJやタレント活動の傍ら、子育て中のU.K.と教育の分野を中心に、話を展開する。

UK 市長ご無沙汰しています。実はワタクシ、このたび週刊大阪日日新聞の守ロエリアの編集長に任命されました(拍手)

市長 編集長就任、おめでとうございます…と言っていいのかどうか分かりませんが…

UK ???

 (市長がおもむろにタスキを取り出す)

市長 よもやお忘れではないでしょうね。UKさんには「もりぐち夢未来大使」という大事なお仕事をお忘れになられては困りますよ。こちらはもうお辞めになる、ということでしょうか。

UK 待ってください市長! 未来大使をしながら、守口市を盛り上げるために編集長になったんです。

市長 それならいいのですが。ぜひ、両方のお仕事をお願いしますよ。

UK もちろんです。ちゃんと守口を盛り上げていきますからご安心ください! ところで市長、就任されてどれくらい経ちますか。

市長 4月23日付ですから、まだ4カ月の駆け出しです。

UK 就任から4カ月のホヤホヤ市長ですねえ(笑)

市長 市長になってからは確かに4カ月しか経ちませんが、実は守口市のことは昔からよく知っているんです。高校を卒業して大阪府庁に入庁し、初めての職場が守口市佐太中町の大庭浄水場でした。ちょうど大阪市営地下鉄(現大阪メトロ)の谷町線が「守口駅」から延伸され、大日駅」ができて。昭和58(1983)年です。

UK 「しょうわ」とはエライ昔の話です。今「れいわ」(令和)ですからね(笑)

瀬野市長
瀬野憲一(せの けんいち) 1964年大阪市生まれ。83年に大阪府に入庁し、2010年に守口市行財政改革担当部長。その後、藤井寺市副市長、大阪府議会事務局議事課長、府議会事務局総務課長兼議会秘書長を務め、23年4月の守口市長選に大阪維新の会から出馬し、無投票当選。趣味は料理。B型。

市長 毎日、大日駅を利用して大庭浄水場に通勤していました。だから、守口のことはよく知っていて昔から愛着があるんです。

UK 長いお付き合いだったんですね。市長にとって、守口はどんな街に映っていますか。

市長 守口市は昔から交通の要衝です。地理的に大阪市がすぐとなりにありますし、京阪電車を使って京都へもすぐに行ける。立地的にも住みやすい場所です。市長就任したばかりだからこそ、一歩引いて、外からみた守口という視点を持てるという利点があるんですよ。

UK なるほど。たしかに守口ってちょうどいい街なんですよ。それなのに、なんだか知名度がないような感じがするんですが。

市長 確かにユーチューブなどを見ると「何にもないところ」などといじられています。だからUKさん、編集長もいいですが、未来大使として一緒にもっと盛り上げてくれないと。

UK いやいや、ぼくも頑張ってますけど、リーダーはやっぱり瀬野市長じゃないですか。市長が考えられている守口の強みは何ですか。

市長 全国に先駆けて子育て支援に力を入れてきたことです。2017年に全国の市で初めて所得制限なしで、0歳児から5歳児までの幼児教育、保育の無償化をスタートしました。私としては、前市長がやり切ってくれた子育て支援の取組みをさらに進めていきたいと思っています。

UK その流れで市立小給食の無償提供も…

市長 はい。現在、市では大阪市しかやっていない小学校給食の無償化を守口市でもやろうと踏み切りました。この2学期から市立小では無償提供がはじまっています。子育て世代に優しい守口市というイメージを持ってもらえればうれしいです。

U.K./楠雄二朗(くっすん)
U.K./楠雄二朗(くっすん) 1974年大阪市生まれ。音楽を愛し「人に感動を与える表現者になりたい」とDJを志し、2000年にFMラジオ局で初のレギュラー番組を担当。「ちちんぷいぷい」などの情報番組や、朝ドラや人気ドラマシリーズへも出演。15年には守口市の親善大使「もりぐち夢・未来大使」に就任。自著「ONLY U. 親卒で才能を開花せよ!」はランキング1位を獲得。

UK 一方で財源確保に特別職の給料と退職金のカットを表明されました。市長自身、給料20%、退職手当は100%カットされ、自ら身を切るということですか。

市長 まずは市長自らが意気込みを示していくことが大切だと考えています。「財政状況がこれだけ大変だから」というのは一昔前の話で、今は実は昔ほど厳しくない。しかし、行財政改革は常に必要です。生み出した財源を、新たな市民サービスに充てられる。

UK そういう政治的決断はすばらしいと思います。ただ、僕なんかが考えてしまうのは市長の奥様やご家族のこと。給料、退職金カットの話をしたとき、ご家族の反応はいかがでしたか。

市長 理解を求めるのは政治家の仕事です。まずは妻を説得できなかったら他の人も説得できないと思いました(笑) 妻には私の説明で納得してくれたと思います。

UK まずは家族の理解を得てということですね。

市長 今後は給食の無償提供を中学校にも拡大していきたいと考えています。現在は約2割の生徒しか給食を食べていない。将来的には完全給食にした上で、無償化を目指したいと思っています。

UK 今度は教育の内面的な話になるのですが、私の子どもたちも守口市の学校に通い、すばらしい先生方から教育を受けて、本当にいい子に育っていると感じています。教育面での課題はあるのでしょうか。

市長 これは昔から言われていますが、学力テストなどを見ると、守口市は全国平均より少し低い傾向にあります。もちろん、学力だけが教育ではありませんが、この部分も少しずつ改善していけたらと思っています。

UK それに向けて何か対策はされているのですか。

市長 教育委員会の所管になりますが、民間事業者と連携した土曜日学習会を全小・中学校で実施しています。また、英語教育では英語指導助手(AET/アシスタントーイングリッシューティーチャー)を増やす取り組みを進めています。6月議会で補正予算を計上しましたので、これから力を入れていきたいと思っています。教育というものはやはり大事ですから。

UK 市長が言われるように、学力だけでなく、人間力も上げていかなければならないと思います。この前、市長にも読んで頂いた私の著書「ONLY U.親卒で才能を開花せよ!」この本を書きながら、やはり自分で考える力は大事だと確信しました。困難に直面したとき、自分の力でどう乗り越えるか。その力をどう育むかということも、今後、教育に入れていってほしいです。

市長 その通りだと思います。自分自身で考えることが将来、壁を乗り越える力に繋がる。そういった教育を進めていければと思います。

UK どんな災難が降りかかっても自分で乗り越える力さえあれば、誰かに依存しなくて済むので、人生がどんどん楽しくなると思います。守口市の子どもたちにそういった教育をお願いしたい。それを知るだけでも人生が大きく変わるので。

市長 自分の人生ですから、何事も人のせいにせず、自分で決めていくことはすごく大事なことだと思います。

(次号に続く)

参考記事(過去の本紙の報道から)

①小学校給食を恒久無償化

 守口市の瀬野憲一市長は小学校給食の恒久無償化などを柱とする本年度の補正予算案を発表。子育て世帯の経済的負担の軽減や物価高騰対策のためで、補正額は9億4960万円。6月の市議会へ提案し、可決された。
 瀬野市長は、これまで暫定実施だった市立小給食の無償提供を2学期から恒久的に実施する意向を表明。対象児童数は約6千人で、1人当たりの負担額は年間4万6080~4万9920円。中学校給食については「ニーズを把握し、任期中に無償化を目指す」
 また、市内約7万3千世帯を対象に1冊5千円の商品券を給付する。65歳以上がいる世帯には2500円を上乗せし、1冊7500円分を配る。10月に実施予定。

②給料・退職金をカット

 守口市の瀬野市長は、市長ら特別職の給料と退職金をカットすると表明。給料で総額2840万円、退職手当で同6750万円の計9590万円の財源を生み出すことを明らかにし、5月の臨時市議会に条例案を提出した。
 瀬野市長は給料20%、退職手当100%をカット。副市長・教育長・水道事業管理者については給料10%、退職金は副市長100%、教育長・水道事業管理者50%のカット。また、在職中のトータル期間で支給される普通退職手当も廃止に。