日本でも苦い酒が流行る? 世界で注目を集めるアマーロ(薬草酒)のメイド・イン・ジャパン版

 世界でアマーロ(薬草酒)が人気を集めている。アマーロとは、「苦い」を意味するイタリア語で、苦味を帯びたリキュールの一種だ。日本は漢方の考え方に基づいて生薬を配合した薬用酒の「薬用養命酒」が有名だ。日本で薬草酒を〝嗜好品〟として唯一作っているのが、神奈川県相模原市にある伊勢屋酒造だ。

 人気を集めるのが、30種類以上のハーブで構成した「スカーレット・ヴェルデアマーロ」と「スカーレット アペリティーボ」。どちらも苦い。とはいってもただ苦いだけではなく、甘さもあって、ふわりと香るハーブの余韻がクセになる不思議な味だという。

 同店に訪問すると庭にはルバーブやホップ、セージ、ニガヨモギ、マジョラムなど、たくさんのハーブが自由奔放に茂っている。代表の元永さんは「購入したら楽チンだけど、香りの弱いハーブが入っていたら納得するアマーロが作れないので、自分の手で育てるようにしている」と話す。

 栄養のない土に育つハーブほど良い香りを出し、苦味にこだわるからこそ自分で育てているという。「アマーロは苦いもの。だから苦みが弱かったり、甘みが先行したりはダメ。日本にも古来より『良薬口に苦し』という言葉があるように絶対にこだわりたい部分なんですよ」と笑顔で語っていた。

■伊勢屋酒造/神奈川県相模原市緑区小原681/電話042(682)0625