塩野義製薬(大阪市)は8月3日、2026年度第1四半期(4~6月)決算を発表した。売上収益は前年同期比63・7%増の1633億円、営業利益は90・6%増の669億円、四半期純利益は148・2%増の977億円となり、売上収益、利益とも第1四半期として過去最高を更新した。鳥居薬品など買収・承継した事業の統合効果に加え、海外事業やHIV関連のライセンス収入(ロイヤルティー収入)の拡大が業績を押し上げた。
国内では、昨年グループに加わった鳥居薬品の製品が売り上げに大きく貢献したほか、不眠症治療薬「クービビック」やALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬「ラジカット」も伸長した。一方、新型コロナやインフルエンザ向けの急性呼吸器感染症薬の売り上げは減少した。
海外では、米国で引き継いだラジカット事業に加え、薬が効きにくい細菌による感染症に使う抗菌薬「セフィデロコル」が欧米で販売を伸ばした。また、同社の技術を活用したHIV治療薬・予防薬の販売拡大に伴うライセンス収入も増え、業績を支えた。
開発面では、重い真菌感染症の治療薬候補「オロロフィム」が最終段階の臨床試験で主要評価項目を達成し、欧州とアジアで承認申請を予定している。また、新型コロナウイルス感染症治療薬「エンシトレルビル」は、感染した人との接触後に発症を防ぐ用途で米国承認を取得するなど、開発も前進した。
同社は、主要事業の成長や統合効果を背景に上期業績予想の達成を見込む。また、HIV分野では、数カ月に1回の注射で治療や予防ができる長時間作用型製剤の開発を進め、中長期的な成長につなげる考えだ。
