漫才、演劇、けん玉も 全ての表現者よ集え

大阪で新たに立ち上がった全力表現リーグ「エンタメ甲子園」が、11月29日に阿倍野区民センター大ホールで初開催を予定しており、現在出場者を募集している。
対象は小学4年から中学3年までの大阪府在住の子どもたちで、3~20人のチームを組み、演技時間は1分半から3分。参加無料で、エントリー締め切りは10月13日まで。
ダンスやチアはもちろん、演劇や合唱、漫才や大道芸などジャンルは一切問われず、舞台で表現したい思いさえあれば誰でも挑戦できる(ただし会場都合により和太鼓は除く)。審査基準はチーム力、エンタメ性、衣装、作品力、そして「子どもらしさ」や「全力さ」。主催のFIPエンターテインメント代表 の長元梨紗さんは「スキルやテクニックだけを競う大会ではない。子どもたち自身の発想と想像力を大切にしたい。大人はアドバイザーとして寄り添うことはできるが、あくまで主役は子どもたち自身」と語る。


〝表現する〟経験は非認知能力を育てる
長元さんは地元でダンス教室を主宰。長年の指導経験から、舞台で何かを表現した経験を持つ子どもは表現力だけでなく、コミュニケーション力や段取りを考える力に優れていると感じてきたという。「舞台は非認知能力を育てる何よりの場。そうした子どもを育てる舞台を作りたい」と構想を抱き、関西電力のグループ会社である「かんでんCSフォーラム」の特別協力を得て大会を実現させた。
「上手い下手は関係ない。大事なのは全力で表現しているかどうか。人前でやり切った経験は必ず記録や記憶に残り、大人になったときに壁を乗り越える力になる」と長元さん。舞台の上で泣き出しても、立ち位置が乱れてもかまわない。挑戦そのものを肯定し、失敗体験こそが財産になると考える。「保護者には、どんな結果でも子どもを叱らず褒めてほしい」とも呼びかける。
体験格差をなくし、全国へ
大会の背景には、習い事や舞台経験に広がる「体験格差」への危機感がある。特に大阪市では「習い事助成金」という制度があるものの、十分に活用されていない現状がある。長元さんは「参加費無料にすることで経済的なハードルを下げ、地域の仲間同士でも気軽に挑戦できる場をつくりたい」と語る。
優勝チームには企業協賛による副賞が贈られ、外部イベントでの発表機会も検討されている。今大会は〝キックオフ〟として位置づけ、将来的には障がいのある子も含め、誰もが舞台に立てる〝全力表現リーグ〟として全国に広げたい考えだ。「画面の中だけでなく、人前で思いを伝える経験を持ってほしい。失敗も成功も力になる。無限の可能性を秘めた子どもたちに、全力で挑んでほしい」と締めくくった。
詳細はHP(https://entamekoshien.fip-ent.com)。
