北陸新幹線の新大阪延伸 大会延期に

北陸新幹線の新大阪延伸に向けた建設促進大会が延期された。費用や工期への懸念やルート選定をめぐる意見の隔たりが影響し、大阪府や関西経済連合会などは改めて調整を図る方針だ。
米原案 なお根強く 延伸巡る意見割れる
北陸新幹線の新大阪延伸をめぐり、8月4日に大阪市内で予定されていた「北陸新幹線早期全線開業実現大阪大会」が延期された。主催の協議会は、長年の延伸促進を打ち出す構えだったが、延伸ルートの費用対効果や工期を巡る関係自治体の温度差が影響した。
この日は大会のほか、府や関西広域連合が主催する別の催しの中止も決まった。大阪府および関西広域連合は、26日に予定していた北陸新幹線の早期開業に向けたシンポジウムの開催中止を発表。全線開業の経済的意義を議論する予定だったが、参院選後にルート再検証の動きが強まる中で開催は困難と判断された。
延伸ルートは2017年に福井県小浜市から京都市を経由する「小浜・京都ルート」で決定されたものの、京都府内で地下水や地元負担への懸念が根強く残る。また、国交省の最新試算で工期と建設費が大幅に膨らむことが明らかとなり、滋賀・米原駅経由のルートを含めるべきとの意見は関西でも根強い。
大阪府の吉村洋文知事は記者会見で「費用や工期を比較検討せず決定するのは適切でない」と述べ、米原案を含めた超党派での議論の必要性を訴えている。