
白いテントのようなドーム型の球体をいくつも合わせた形のスイスパビリオン。中に入ると、丸い球体ごとに部屋が別れている。

1つ目の球体部分に入ると切り絵を模したインスタレーションが広がっている。一つ一つを見ていくと詳細に作られていて、さすが〝職人の国スイス〟といいたくなるできだ。
切り絵の下にはクイズのような問いかけや、同国の特徴などを簡潔に説明したプレートが付けられているので一枚ずつゆっくり読むことができる。

次の球体へ移動すると全く別世界が待っている。先ほどより大きな球体の空間には石鹸水をたたえたプールのようなものが置かれていて、そこから吸い上げた石鹸水を大きめの空調機のようなものを通して空中に噴き出してシャボン玉を作っている。


通路に立てられた丸いボードに「未来の社会へのあなたの願い」を語りかけると、それに反応して空調機からシャボン玉が作られるという仕掛けで、AIの技術を使って連動させている。子どもはもちろん、大人も童心に帰ったような笑顔で語りかけ、出てきたシャボン玉を目で追いかけていた。

次の球体へ移動すると、そこには未来を想像させる様々なガジェットや製品が並べられている。
素材の違うテスターに触れると、その違いを検知できる未来のロボットアームとセンサーや、前に立った人を検知し、写真撮影したデータを画面の中に取り込んで瞬時に合成写真を作成するカメラとモニター、そして食べられるロボットを乗せたケーキなどが置かれている。



これらは全て、スイスで研究されているテクノロジーや製品で、近い将来現実世界で活躍することを想定して研究開発が続けられているものばかり。子どもらはここで見たものが実用化された社会に生きることになるはずなので、しっかりみておくべきだ。
ドームの奥ではタッチパネルを操作して質問に答えていくと、今から5年、10年、25年の科学的動向を予測する「Science Breakthrough Radar」のデータに基づいて、回答内容に添ったイメージが浮かび上がって、仮想の未来をつくり出している。その集積がこの画面。

このスペースは常設ではなく、定期的に入れ替えることになっていて、オープンから6月10日までは人間拡張(Augmented Human)がテーマの展示で、6月11日から8月12日までは生命(Life)がテーマの展示になる。
最後の球体ではスイスパビリオンの公式キャラクターのハイジが歓待してくれる。

パビリオンを出て4階にあるハイジカフェへ向かうと真っ白なカフェでスイス料理やワインなどが楽しめる。オープンエアーで開放的な空間になっていて、そこから見下ろす景色も一見の価値あり。
