咲くやこの花館(大阪市鶴見区)は、1990年に開催された国際花と緑の博覧会(花の万博)のメインパビリオンとして建設され、会場跡地である現在の花博記念公園鶴見緑地に残されたレガシー(遺産)の一つになっている。
同館はこのほど、大阪で3回目の国際博覧会となる2025年大阪・関西万博開催を記念して、2011年にオープンしたプチ・イングリッシュガーデンを14年ぶりにリニューアルし、エルフガーデンを開設する。エルフガーデンとは、夏の除草作業の負担を軽減してボランティアによる維持管理を可能とするコミュニティガーデンの名称だ。

大きな特徴は、中心部分に設置された英国式石積みによるモニュメント「記憶 Recollection」だ。英国式石積みは、接着剤を使わず石の再利用ができるイギリスの伝統的建造物で、他の動植物と共存しながら、芸術的な美しさを持つといわれる。モニュメントは、すべて同国のコッツウォルズストーンで構成され、黄色い石が印象的だ。設計は、日本での英国式石積みの第一人者である神谷輝紀氏によるもので、DNAの二重螺旋をイメージした作品となっている。
ガーデン内は花や穂の向こうに石積みが見えるよう、モニュメントと調和のとれた景観づくりにもこだわる。また、芝生を新しく張りなおし、生垣の代わりに歩道を設置するなど工夫を盛り込んだ。大阪・関西万博と共に、花博記念公園も楽しんでみては。
■咲くやこの花館/大阪市鶴見区緑地公園2-163/電話06(6912)0055