多様な在来種守れ! 庭窪ワンドで外来魚駆除活動

外来魚駆除を目的に地引き網を引くイタセンネットのメンバー

 淀川本流沿いで水域を形成する守口市の庭窪ワンド群で11月9日、2025年度最後の外来魚駆除活動が行われた。国の天然記念物の淡水魚・イタセンパラを象徴として、多様な在来種が生息していた淀川の環境再生を目指し、市民団体や大学、企業などが連携する「淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク」(イタセンネット)が4月から月1回、実施してきた。
 この日は雨の降りしきる中、約10人がワンドで地引き網を引いた。在来種を捕食するオオクチバスなどの外来魚は研究資料として持ち帰り、フナやモツゴなどの在来魚はワンドに戻した。網にかかった魚を分類した大阪産業大の鶴田哲也教授(魚類生態学)は「外来魚よりも在来魚の数の方が多く、駆除活動の効果は現れている。活動を継続していきたい」と話した。
 合わせて行ってきたワンド周辺の清掃活動は、雨で中止となった。イタセンネットの構成団体・淀川管内河川レンジャーは26年2月に一斉清掃活動を予定し、個人の参加を呼び掛けている。同レンジャーのホームページから申し込みが必要。
 イタセンパラは06年から淀川水系全域で生息が確認できなくなり、野生復帰を目指し13年10月に大阪市旭区の城北ワンド群に成魚が放流され、自然繁殖してきた。しかし、23年以降、同ワンド群で確認できなくなっている。(小泉健一)

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