
真っ赤に塗られたオマーンパビリオンは、一際目立つ存在。緩やかな曲線のフォルムで包まれた奥に長いパビリオンは、右側は見学や体験用のスペースで、左側は一般の人も自由に出入りできるオープンスペースになっている。
奥に細長いパビリオンは、中に入るとすぐに最初の部屋に誘われる。室内は照明が落とされていて、壁4面に床と天井まで使ったCG映像が音とともに動き出し、美しい幾何学的なデザイン模様やイラストが壁内に埋め込まれている仕掛けとともに光に反応したり、浮かび上がったりする演出になっている。パビリオンのテーマが「水」なので、要所で水をイメージさせる仕組みだ。

次の部屋では壁3面を使った映像で、国土の多くが砂漠の国であるオマーンがどれだけ水不足で苦労してきたか、また水は全ての生命の起源であり、必要なものかということを国の歴史や水不足との戦いを織り交ぜて紹介している。

見学するコンテンツはこれで終了だが、館外へ出る為の廊下には、日本語とアラビア語でことわざが書かれていて、なぜか「誠心誠意」や「情けは人のためならず」という言葉があり、それらとコンテンツの関連性が不明だ。

館外にでると、そこは峡谷や川などオマーンの自然をイメージして再現させたコンクリートの世界が待っている。昼間は赤一色の世界だが、夜になると照明がともされ、ミステリアスな青い世界が登場したり、曲線を描く壁にはプロジェクションマッピングでオマーンの世界が投影されている。



ギフトショップやカフェウィンドウもあり、この空間は万博会場内の雑踏を避けて静かにコーヒータイムを過ごすにはぴったりの場所かもしれない。