「食べるものを生産し、生産したものを食べよう」農業に力を入れる、アフリカ西部の国リベリア

 アフリカ大陸の西側の出っ張り部分のその西端にあるのがリベリア。アメリカの奴隷政策の影響で1847年に独立したアフリカでは最も古い国。その他の欧州諸国からも独立を認められたため、今日までどこからも侵略されることなく独立を保ってきた。

 これまで鉱物資源の採掘と輸出が主産業だったが、それでは今後が続かないと言うことで、現大統領になってから政策転換が計られ、現在は農業に力を入れているという。

 その割に、展示品は民族文化を代表するお面などが目立ったので、そのことを指摘すると、「食物も展示するつもりで2カ月前に送っているのに、税関で止められたまま書類のやり取りをしていてまだ会場に届いていない」のだという。近いうちに届くはずだから届いたら展示する、と教えてくれた。遅れていることにフラストレーションは感じている様だが、慌てる様子もなく、ここでもなんとなく国民性を感じた。

 アフリカに位置し、世界最貧国の一つでもあるので、流れている映像はやはり雄大な自然や文化、食や土着の人々の姿などで占められていたが、その中でワンカットだけ気を引かれたフレーズのシーンがあった。

 「Produce what you eat and eat what you produce」
 同国でも米を育てているが、これまではタイやインドネシアなどから輸入して不足分を補っていたので、これからは自国で自給自足ができるだけの量を育てていくと語っていた。

 最近、国内では米の値段が上がって話題になっているが、その裏では大量の食材が捨てられていて、世界レベルで見ても日本の食糧廃棄量は頭抜けて多いことは有名。それを考えると、貧困に喘ぐ国が発するこのフレーズは胸に刺さる。