恐竜姿、想像の歴史 兵庫県立美術館で特別展

ロバート・ファレン「ジュラ紀の海の生き物―ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)」(1850年頃)と恐竜くん
ロバート・ファレン「ジュラ紀の海の生き物―ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)」(1850年頃)と恐竜くん

 兵庫県立美術館(神戸市中央区)は特別展「恐竜図鑑-失われた世界の想像/創造」を行っている。化石が見つかり、その恐竜の姿を表した約200年前の絵画から今に至るまでのパレオアート(古生物美術)に着目した、画期的な展覧会になっている。5月14日まで。

 約2億5000万年前~6600万年前に存在していた恐竜。誰も見たことがない未知の生き物に対し、想像し、創造されてきた作品を、「恐竜誕生-黎明(れいめい)期の奇妙な怪物たち」「古典的恐竜像の確立と大衆化」「日本の恐竜受容史」「科学的知見によるイメージの再構築」の四つの章で紹介する。

 史上初の古生物の生態復元画とされる、地質学者ヘンリー・デ・ラ・ビーチの原画によるジョージ・シャーフの版画に始まり、パレオアートの2大巨匠チャールズ・R・ナイトとズデニェク・ブリアンの作品や、小田隆さんら現代の作家作品、所十三さんの漫画原画、恐竜グッズの収集家・田村博さんのコレクションなど約150点を展示。

ベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズ「ジュラ紀の生き物―ヨーロッパ」(1877年)
ベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズ「ジュラ紀の生き物―ヨーロッパ」(1877年)

 「200年におよぶ歴史の中の恐竜の姿が、その時々によってどう変わったか見てほしい」と学芸員の岡本弘毅さん。会場を訪れた恐竜研究家の恐竜くんは「恐竜のおいしいところが凝縮され、人類がどう恐竜と向き合ってきたかが分かる」と目を輝かせた。

 午前10時~午後6時(入場は30分前まで)、月曜休館。問い合わせは電話078(262)1011、同館。