なぜ冤罪がなくならないのか フリーライター尾崎美代子さんが本出版

著書を手にする尾崎美代子さん(左)と、「ママは殺人犯じゃない ―冤罪・東住吉事件―」の著者、青木惠子さん=大阪市西成区の飲食店「集い処はな」
著書を手にする尾崎美代子さん(左)と、「ママは殺人犯じゃない ―冤罪・東住吉事件―」の著者、青木惠子さん=大阪市西成区の飲食店「集い処はな」

 フリーライターの尾崎美代子さんが、単行本「日本の冤罪」を出版した。「湖東記念病院事件」「東住吉事件」「日野町事件」をはじめ、これまで世に広く知られてこなかった数々のケースも多数収録。「冤(えん)罪事件」の全貌に迫ると同時に、なぜ冤罪がなくならないのか、警察・検察・裁判所の司法組織の問題を含め、真実を追った労作だ。

 尾崎さんは大学生時代の1980年代、山谷(東京)に日雇労働者、野宿者問題の支援に関わる。90年代初頭、大阪に移住して以降は、日雇労働者の町・釜ヶ崎(あいりん地区)に住みながら、フリースペースを兼ねた飲食店「集い処はな」を経営。3・11以降は福島支援、反原発運動をはじめ、講演会・上映会・支援ライブなどを行うかたわら、冤罪事件の取材・執筆活動を続けている。8月23日に逝(せい)去した「布川事件」冤(えん)罪被害者・桜井昌司さんとの対談も収録した、事件の実相を真摯に伝えるルポルタージュ。鹿砦社、定価1千760円(税込)。