
大阪市阿倍野区の明浄学院高で11月20日、俳人松尾芭蕉の遺徳をしのぶ「芭蕉忌」が開かれた。79回目となる今年も、各学年から選ばれた生徒や教職員の作品を芭蕉像に献句し、代表の生徒らが朗詠した。
同校では和歌や俳句を授業に取り入れており、秋には大阪の地で生涯を閉じた芭蕉の命日(旧暦10月12日)に合わせて芭蕉忌を執り行っている。
生徒会副会長の鈴木花怜(かれん)さん(2年)は、「80年近く続く明浄の伝統行事に参加できてうれしかった。この歴史を受け継ぎ、続けていくことに意味があると思う」と満足げ。渡邊雅彦校長は「今の時代、AIに聞けば簡単に俳句を作ることもできるだろう。しかしながら、生徒たちの作品の行間には人間味のある情景が描かれていた。芭蕉が提唱した〝不易流行〟の概念をこれからも大切にしていきたい」と話していた。
