学習塾社長のすべらない対談連載

【対談シリーズ】学習塾代表と元宝塚歌劇団娘役スターの滑らない話

 〝笑う門には福盛来る〟。新教育総合研究会「個別指導キャンパス」の福盛訓之代表が、各界の人たちと語り合う対談シリーズの15人目は、2024年10月に宝塚歌劇団を卒業したばかりの俳優、野々花ひまりさん。

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元宝塚歌劇団雪組 野々花ひまり×個別指導キャンパス代表取締役 福盛訓之

本番80と想定して、練習は120以上の力で取り組む(野々花氏)
受験にも通底する心がけ(福盛氏)

 福盛 さて早速ですが、野々花さん。宝塚音楽学校への進学を希望された経緯や、当時の夢を教えてください。

 野々花 私はクラシックバレエを3歳の頃から習っていて、初めてみた舞台が劇団四季さんの『キャッツ』。とても感動してしまい、物心ついた頃には「舞台に立ちたい!」という夢を持っていましたね。その後、中学1年生の頃に、ピアノの先生が宝塚の舞台に連れて行ってくださり、宝塚の世界に心酔したのが進学を希望したきっかけですね。男役スターに憧れる方が多いと思いますが、私は娘役スターに魅了されました。

 福盛 宝塚の舞台を観て、娘役に憧れて進学されたわけですね。ご出身は福岡で、宝塚への進学をきっかけに親元を離れて関西へ来られた。

 野々花 そうです。合格して嬉しいのはもちろんなのですが、それまでの生活が一変し、当たり前だった日常がなくなる。親にも妹にも会えない。それが寂しくて、行きの新幹線では号泣しました。送り出す方も寂しさを堪えてのこと、あの時の両親の顔を今でも思い出しますね。

 福盛 寂しさと不安。その中には新生活への期待もあったことでしょう。

 野々花 憧れの宝塚ですし、合格発表の嬉しさは言葉にできないぐらいでしたから、ワクワクする気持ちもありました。

 福盛 期待と不安で胸をいっぱいに入団された宝塚歌劇団。「野々花ひまり」という名前に込めた願いや思いは。

 野々花 「ひまり」は「ひまわり」に由来していて、太陽に向かってまっすぐ咲く。私も目標に向かって真っすぐ向かっていきたい思いがあって選んでいます。その思いと同時に、「野に咲く花」のような謙虚さも常に忘れないようにと、「野々花ひまり」と名付けました。

 福盛 初舞台が「ベルサイユのばら」で退団公演も「ベルサイユのばら」。名前どおりの軌跡でしたね。

 野々花 「宝塚といえばベルサイユのばら」のイメージがあったので、初舞台が決まったときはとても嬉しく、舞い上がりました。宝塚歌劇の初舞台では「ロケット」と言って全員が舞台に整列して同じステップを踏むラインダンスを披露するのが伝統ですが、同期と並んで舞台に立てる唯一の機会でもあるので、それが「ベルサイユのばら」だというのも感無量でした。宝塚の舞台は想像以上に大きくて、ステージの向こうに大勢の観客が鑑賞される、あのダイナミックな光景は一生忘れることができないでしょう。卒業公演となる「ベルサイユのばら」については、憧れのロザリー役をいただいたこともあり「これもご縁」だと思ったので、幸せいっぱいの気持ちで本公演を機に退団を決意しました。

 福盛 ターニングポイントはありましたか。

 野々花 実は入団当時は歌が苦手だったのですが、新人公演『ファントム』で歌姫・クリスティーヌの役をいただきまして。苦手なことも挑戦して乗り越えていかなければ、次のステップへ進めない。そう腹をくくって、歌の勉強を行いました。この作品を機に歌が好きになって、いろんな歌に臨めるようになりました。

 福盛 そんな野々花さんが舞台に立つ際に、心掛けていることは。

 野々花 どの舞台も毎回、緊張します。ただ、緊張のせいで練習どおりに演じられないのは悔やしい。だから緊張することを想定して、練習では100を出せても本番では80しか出せない、実力が発揮できないのは当たり前だと理解して、普段からそれ以上に練習を積んでおく。いつもそう心がけています。

 福盛 志望校合格に向けて日々勉強する受験生や、それをサポートする保護者にも参考になる心がけですね。野々花さんに比べれば、私も全く努力できていないな、と自戒します。

 野々花 いえいえ、そんなそんな(笑)。

 福盛 退団して半年近くが経ちました。今後の夢や目標をお聞かせください。

 野々花 これまでの経験を糧にしつつ、未知の自分に出会いたいです。どんな自分に出会えるだろうかとワクワクしながら、舞台だけでなく、映像もナレーションも、いろんな仕事に挑戦していきたいと思っています。  福盛 好奇心があって、挑戦したい気持ちがあるうちは、成長過程ですからね。今後もますますのご活躍をお祈りしております。ありがとうございました。


■プロフィル
野々花 ひまり(ののか ひまり)
 福岡県福岡市出身。元宝塚歌劇団雪組の娘役スター。2011年に宝塚音楽学校に入学。2013年同校卒業後、宝塚歌劇団に99期生として入団。雪組公演『バルサイユのばら』で初舞台を踏む。2018年の新人公演『ファントム』では2度目のヒロインに抜擢。2024年10月13日、『ベルサイユのばら』東京公演千秋楽で退団。

福盛 訓之(ふくもり としゆき) 
 1973年、大阪市出身。大学在学中の19歳で起業。96年に新教育総合研究会「個別指導キャンパス」(大阪市北区)を設立。個別指導塾を全国約370教室で展開している。第21回稲盛経営者賞第1位、第1回大阪府男女いきいき事業者表彰優秀賞、紺綬褒章など受賞多数。