
近年、中小企業では後継者不足が深刻化し、事業の継続が大きな課題となっている。そのような中、早期に事業承継に取り組む必要性と、事業承継後の将来を見据えた新事業展開について考えるセミナー「逆境を超え、家業と未来を繋ぐ後継者の挑戦」が2月19日に開催された(主催:中小企業基盤整備機構)。今年で4回目の開催となる。
単なる承継にとどまらず、先代の経営資源を生かした新規事業展開の支援にも焦点を当てた今回のセミナー。基調講演のほか、事業承継を機に新事業展開に取り組みたいと考える3組の後継者が、支援機関担当者及び中小企業診断士とともに作成したビジネスプランの発表を行なった。
基調講演では、事業承継後に7億円の負債がある状況から家業を立て直し、現在は地域に還元するべくさまざまなチャレンジをしている大滝工務店(京都府舞鶴市)の大滝雄介さんが登壇。事業を承継したときの状況やその後の試行錯誤をユーモアを交えて語った大滝さん。自身の経験をふまえ、「後継者の〝あるある〟として、自分が望まない業界だからしょうがないと受け身になってしまうケースが多いと感じる。そうではなく、自分がどうありたいか、どうなりたいかというビジョンを持つことが大事」と強調した。
