多くの学生にとって勉学と同じくらい学生生活で欠かせないのが「クラブ活動」や「課外活動」。文科省も課外活動を推進しており、「クラブ活動を通して,望ましい人間関係を形成し,個性の伸長を図り,集団の一員として協力してよりよいクラブづくりに参画しようとする自主的、実践的な態度を育てる」とある。
昨今は教員の働き方改革などで「クラブ活動」の必要性自体が問われているが、授業外だからこそ培える人間力もあるのではないだろうか。今回は各校の個性的なクラブ活動・課外活動を紹介する。
試行錯誤し完成させる「絶品キムチ」
大阪偕星学園高等学校 キムチ部
「大阪コリアタウンに近い高校」という特色を生かし、キムチを全く作ったことのない生徒と先生で、動画サイトで作り方を調べるところから活動スタート。
大阪コリアタウンへ足を運び、そこで働く人たちに試食してもらったことも。試行錯誤を重ねながら上達し、文化祭で出展するだけでなく、生徒自身が発案した「×(かける)キムチ」が「漬物グランプリ」で優勝し、地元の食品メーカーとコラボするまでの実力に。
「キムチは店や家庭によって作り方や味が違うように、正解がない食べ物。キムチ部の活動は『探究学習』とも言えますね」と顧問の藤澤先生は話した。
■大阪市生野区勝山南2-6-38/電話06(6716)0003
キャンプを通じて自分を知る
大阪YMCA国際専門学校 高等課程 表現・コミュニケーション学科
クラブ活動だけでなく、学校を飛び出した「課外活動」も生徒たちの成長につながる。同校は課外活動として「宿泊行事」が多く、3年間の通学のうち5回、クラスメイトと宿泊する機会がある。
2年時のキャンプで行う「カウンシルファイアー」では、ろうそくの火を囲んで本音で語り合うことも。
同校の生徒は不登校経験者も多いが、「宿泊行事」という特別な時間を通じて、他人との関わり方を学びながら人間関係を育むだけでなく、自分と向き合う経験を積んで成長する。
■大阪市西区土佐堀1-5-6 4階/電話06(6441)1123
中学生による学校公認の「広報部隊」
四條畷学園中学校 ナイスガイズ
生徒会活動から独立し、2022年から活動を開始。現在1~3年生あわせて40人ほどの生徒が所属し、入試イベントの支援を行っている。保護者の前で学校の魅力について語ったり、小学生が参加できるクイズ大会を実施したり、入試では会場設営の手伝いまで、活動は幅広い。実際にナイスガイズのメンバーとして活動する、1年生の木原杏梨さん、馬場蓮太郎さん、前原智樹さんに話を聞いてみた。(敬称略)
−どんなきっかけで「ナイスガイズ」に?
木原 「入試説明会でナイスガイズの先輩と接して、カッコいい姿に憧れて入りました」
馬場 「もともと話すのが好き、というのもありますし、物事の良いところを見つけて発信する練習をすることで、将来の役に立つと感じたので入りました」
−活動を通して、今後どんな成長をしたい?
馬場 「これから入試のシーズンに突入するので、ナイスガイズの活動も増えていきます。たくさん経験を積んで、人前でもっとうまく話せるようになりたいです」
前原 「ナイスガイズの先輩を見ていて、先輩の発表がわかりやすかったことに感動しました。先輩方のように、僕も活動を通じて、『伝える力』をもっと向上させたいです」
−三人が思う、学校の魅力は?
馬場 「ノーチャイム制を導入しているところです。時計を見る機会が増えて、自分で時間管理ができるようになりました」
前原 「先生と生徒の距離が近いところです。先生に相談しやすいですね」
木原 「図書館がお気に入りです。1万部以上の本があって、リラックスできる空間です」
最後に、顧問である同校広報部長の中司延亮先生は、「ナイスガイズの活動は、学校の外側の社会と生徒をつなげたい、という思いが根底にあります。その経験を通じてピュアさを保ちながら、自分の意見をしっかり言えるような芯を持つ生徒を育てたいです」と熱い思いを語った。今後は動画撮影などを通じて学内へも、学校の魅力発信を行っていく予定だ。
■大東市学園町6-45/電話072(876)1321(代表)