神戸大出身でアイドル的人気の高橋沙織(35)と大阪芸大出身でボディビル得意もじゃもじゃ頭の赤坂侑子(40)が組む女性お笑いコンビ「アルミカン」が結成15周年を記念し、初の外部会場となる大阪市北区の「扇町ミュージアムキューブ」CUBE01で、単独ライブ〝桃栗三年柿八年アルミカン十五年〟を12月6日夜に行う。
漫才を志す芸人にとってコンビ結成15周年は特別の意味を持つ。賞レースの頂点〝M-1グランプリ〟の出場資格が結成15年を期限にしておりアルミカンにとっても今年が出場最終年。過去、準々決勝進出をまだ果たせていないが高橋は「三回戦突破はもちろん念願なんですが、それより私たちが目指す漫才をじっくりお客さんに聞いてもらいたい」と自分たちのスタイル維持を強調。一見すると美女の高橋がツッコミ役、兵庫・福崎町のカッパ妖怪「ガジロウ」に似ていることから〝ガジコ〟として同町ふるさと大使に任命されたトボけた雰囲気の赤坂がボケ役に見えるが、実際の舞台では互いのキャラを生かした丁々発止のしゃべくりでコロコロと攻守を入れ替え観客の自然な笑顔を演出する。
結成時はコント志向だった。所属の松竹芸能プロデューサーから「漫才でもいける」とのアドバイスから2人で話芸を磨いた。ライブでは漫才とコントを交える。節目の今回は過去の単独ライブでの懐かしい映像も楽しんでもらう予定。赤坂は「今回の会場は本拠地・心斎橋角座より大きな250席。一生懸命手売りして満員になるように頑張らないと」と張り切る。
高橋は2年前に航空機パイロットと結婚、赤坂はペットの猫と、共に関西で2人暮らしの日々。「若い頃は〝東京に進出して売れっ子になりたい!〟という欲があったけど、今はずっと関西で活動を続けていきたい。松竹芸能の先輩、パピヨンズさんやチキチキジョニーさんなど女性コンビのよいお手本もそばにいて下さる。吉本の海原やすよともこさんのように、私たちの倍の30年以上のキャリアでずっとテレビや舞台で活躍しておられる姿を見ると、自分たちも生まれ育った地で息長く活動する道を目指したい。次の節目の20周年の時はさらに大きな会場でやりたいです」と共に将来の夢を語る。
高橋は謎解き、赤坂はボディビルとそれぞれ得意なジャンルを生かしテレビラジオなどでピンでの活動も拡大。赤坂は「私たちは仲がいいのが取り柄。年々コンビとしても関係がよくなっている」と話す。コンビ名「アルミカン」は、一般的にはアルミ缶を思い浮かべるが、高橋によると「ある・ミカン」が語源。「2人ともミカンが大好きで、伸びしろのある〝未完〟にも通じるから」と説明。関西で誰もが「あぁ見た事ある」と言ってもらえるキャラとして活動の場はこれからも広がりそうだ。
(畑山博史)