アレルギーフリースイーツの冷食自販機&デジタルサイネージが登場

自販機のお披露目時の様子

アレルギーを持つ子にも「選ぶ楽しさ」を

 梅花女子大学と民間事業者4社とが産学連携を行い、アレルギーフリーのスイーツを販売しながら、デジタルサイネージで食品アレルギーについての啓蒙動画を流すという食品冷凍自動販売機が、グランフロント大阪北館2・3階「The Lab. みんなで世界一研究所」に登場した。9月22日には設置発表会が行われ、お披露目時に自販機の前でテープカットが行われた。

 同プロジェクトは、梅花女子大学と、アレルギーフリー食品の製造・販売を行う「Mutter」(神戸市)、そして冷凍食品プロデュースや自販機を活用したスタートアップ支援などを行う「えだまめ」(東京都渋谷区)、自販機製造を行う「富士電機」(東京都品川区)、そして連携を促進し、実証実験の場を提供する「ナレッジキャピタル」(大阪市)がコラボし実現した。設置期間は12月1日までだが、反響に応じて期間延長も行う。

Mutter代表の武市圭さん
富士電機 溝田善将さん(左)、えだまめ 遠藤俊介さん(右)

 大学と「Mutter」は23年度から提携しており、昨年度はメニュー開発を共同で行った。今年度は食物アレルギーについて「伝える」をテーマにし、今回のコラボに至った。

 食物アレルギーを持つ子どもはない子どもと比べて外食や買い食いの機会が少なく、「食べたいものを選ぶ」機会も乏しい。アレルギーを持つ子どもが、ゆっくり人目を気にせず自分の好きなものを選んで買う、という機会を創出したいという思いが自販機開発の背景にある。

 さらに「伝える」というテーマから、あらゆる人にアレルギーについて知ってもらおうとデジタルサイネージで動画を流すこととなった。学生たちは販売商品の選定、自販機のボディを彩るデザイン、デジタルサイネージで流すCM動画の制作を行った。

梅花女子大の学生たちが発表する様子

 同プロジェクトは商品の認知から販売まで一貫して行えるという視点で全国的にも珍しく、大阪・関西万博への出店も視野に入れている。

 一人目の購入者で、卵・小麦・乳・ナッツ類のアレルギーを持つ、はるとさん(7歳)は、「自分の食べたいものが買えてうれしい」とコメント。はるとさんの保護者も「パッと買って食べられることって普段はできないので、気持ちが楽になってうれしいです」と話した。

<取材協力>
・梅花女子大学/茨木市宿久庄2-19-5/https://www.baika.ac.jp/
・ナレッジキャピタル/大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館/ https://kc-i.jp/
・Mutter/兵庫県神戸市東灘区魚崎中町3丁目4-14 /https://cafe-mutter.com/
・株式会社えだまめ/東京都渋谷区戎4-20-3/https://eda-mame.jp/
・富士電機株式会社/東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー/https://www.fujielectric.co.jp/index.html