日本語通じないインバウンドにもウケる!ノンバーバル(非言語)芸人

 6月に「UNDER5 AWARD 2024」(芸歴5年目以下若手芸人のコンテスト)で優勝したNSC(吉本総合芸能学院)大阪校第43期(21年春卒業)出身の清川雄司(23)が、賞レース優勝者に与えられる同校での凱旋特別授業をよしもとアカデミーなどの生徒約30人を対象に実施した。

NSCへの凱旋特別授業で生徒に語り掛ける清川雄司

 「UNDER5」では特技の紙切り、腹話術だけでなく、口腔内にハーモニカ入れホッピングを飛ぶ、コサックダンスなど大道芸パフォーマンスを次々繰り出し頂点に立った。

 高校時代に「M-1グランプリに出たい」と思いたち、関西大在学中にNSC入学。折しもコロナ禍真っ最中で、リモート授業中心となり講師に対するネタ見せもパソコンやスマホ経由になるなど試行錯誤の日々が続いた。「ネタ作りが強い人より、Wi-Fiに強い人が勝ててました」と現役生徒を笑わせた。

 ピン芸人になった経緯について「最初コンビで漫才をやっていて解散。〝一度コンビ別れしたら何カ月か新たなコンビが組めない〟という内規があったので、その期間に〝ピンの特技を何か作ろう〟と思て始めました。どれも最初は全然でけへんかったけど、元々サッカーやってて運動神経エェんでユーチューブなど見て学んだ。そやから誰でもやれる可能性あります。漫才? もうエェかな?」と独学でスキルを得たことを明かした。

教室でNSC生徒を前に司会のカベポスターの質問に答える清川雄司

 5年以内の「UNDER5」レースを芸人4年目で勝てたことに「ネタ的に〝1回出たら次の年は無理かな?〟と思てたので、ラストチャンスの気持ちで…」で自らを追い詰めいきなり優勝を射止めた。受賞後はライブなどの出演が増え「ありがたいです」と話し、尊敬する先輩として同じノンバーバル(非言語)芸人のもりやすバンバンビガロの名を挙げ「いつもご飯食べに連れてって頂いて僕の芸をほめてくれはるんです。優勝したら〝お祝いや〟言うて、新しい衣装代として5万円頂きました」と明かした。

特別樹授業を終えてホッとした表情の清川雄司(中央)と司会のカベポスター

 来春には大阪・関西万博が開幕し、所属の吉本興業でも単独パビリオンを出展予定。大阪へさらに多くの外国人が訪れる事が見込まれることから、ノンバーバル芸人にとっては需要の急増が予想される。「会社主催でノンバーバル・ライブを毎週大阪・新世界でやってて、そこで腕磨いてるので万博めちゃくちゃ出たい。実は外国人向けにインパクトあるネタも既に用意して仕込んでいる最中です」と夢を広げた。

(畑山博史)