私立小のメリット再考 「お受験って我が子に必要?」

私立小のメリット再考

 高校・大学受験が過熱する中で、中学受験・小学受験を検討する保護者は年々さらに増えている。とはいえ、「小学校から私立に通わせる意味はあるのだろうか」と、あまり検討したことのない保護者も多いかもしれない。今回の教育特集では、改めて「受験」のメリットについて考えてみたい。

「環境第一」なら「早めに私立」

 従来の私立小学校の子どもは、父親が経営者や医者で母親が専業主婦といった家族構成が多かったと聞く。しかし、共働きの増加と少子化によって子ども一人あたりの教育費が増加。「偏差値序列」やOBOGの壁も薄れる一方、ICTなどの設備・環境や、公立校にはないカリキュラムなど、教育面が学校の魅力付けに直結するようになった。しっかり勉強する環境が必然的に整っているのが、私立校の何よりの魅力になっている。
 また、公立と比べて私立小学校教員は人数が多く異動が少ない。よって教員の質を保ちやすいというメリットがある。一貫して子どもを見守ってくれる安心感もプラスだろう。さらに、プログラミングや英語などの先進教育や習い事は外部業者や専任講師が行い、プロによる本格的な学びが提供される。公立校教員のほとんどは先進教育に慣れていないため、形式的な内容にとどまることも。また、私立校ではカウンセラーなどが常駐しているところも多く、児童のケアも重視されている。職員も充実しており、教員の業務負担が少ないのも、教育の質の担保につながるだろう。

「受験の山」にいつ登るのか

 私立小・中両方の大きな魅力としてはやはり内部進学ができること。子どもの貴重な時期の中で、どのタイミングを受験のピークに持ってくるかを各家庭で検討する必要がある。
 受験には保護者のサポートが必須である一方、共働き家庭だとサポートがしにくい。その点でいうと、育休・時短勤務期間で子育てに集中できるうちに「お受験」を済ませる、という考えもある。中学受験は年々激化しており、加えて高校受験も見据えた早期教育の傾向がある。場合によっては小学校生活の大部分を受験準備に費やすことも。幼児期に短期集中型で受験準備をする方が親子ともに期間的な負担が少ないと考えることもできる。
 内部進学を利用すると中・高・大学進学のタイミングでハードな受験勉強に追われることがなくなり、スポーツや音楽など勉強以外のことにも力を注ぎやすい。

確かにお金はかかるけど…

 私立小は確かに金銭的負担が大きいが、得られるメリットも十分に大きい。習い事で人気の水泳や英会話、学校の予習・復習サポートについては既存のカリキュラム内や学内の習い事として完結している所も多い。また各校が特色を出すために独自で取り組む課外教育もある。
 高校の教育費負担はほとんどなくなり、その分を小・中学校期に充てると考える人も多い。とはいえ、私立受験には大きな負担が生じるものなので、子どもの将来・選択肢をどう考えるか、そのために夫婦で仕事や家庭をどう調整するか、早いうちから情報収集し検討してみてほしい。

受験に関する数字あれこれ

★公立小に通う児童の1年間の習い事費用:
年間24万7582円・1カ月あたり約2万1000円
(文部科学省 令和3年度「子供の学習費調査」)
★私立小学費平均(大阪府):56万6563円(2023年3月時点)
★私立中学費平均(大阪府):65万44円(2023年11月時点)

私立小受験にかかる費用の目安

★幼児教室・塾月謝:2~3万円(年間約30万円)
★講習会費用:1回3~5万円×複数回受講
★教 材 費:1~2万円
★模擬テスト:3~4回で5万円前後
★受 験 料:2~3万円+受験票用の写真5000円~1万円
★面接用衣類・小物類:親が10~20万円、子どもが5~10万円

※何を選ぶかによって金額に大きく差が生じる

学校紹介

大阪信愛学院小学校

信と愛をいつも胸に 未来にはばたく夢を応援

大阪信愛学院小学校
大阪信愛学院小学校

 1884年から続く伝統が息づく教育理念を基盤に、最先端の学びを取り入れた「信愛インスパイア教育」により、更なる学びの深化を図る大阪信愛学院小学校。各教科と連携したICT教育のほか、ネーティブ教員を軸に展開する英語教育は1年生から十分な時間を確保。より深い学びを得られる工夫が随所に光る。また、学年を越えた交わりを広げ、仲間意識の輪を育む「縦割り活動」も魅力だ。
 「学童保育」に加え、料理やプログラミング、芸術、運動などに取り組む「スクールプラス」と呼ばれる課外活動も充実。スクールバスの運行もあり通学の便も良く、遠方から通う児童もいる。大学まで備える総合学院の強みを生かし、夢の実現に向けたサポートや、時代を先取りする挑戦が見て取れる。

大阪市城東区古市2-7-30 電話06(6939)4391
http://el.osaka-shinai.ed.jp

四條畷学園小学校

自分で「見つける」「考える」「想像する」力を育む
先進的学習と放課後教室でコスパ良し

四條畷学園小学校
四條畷学園小学校
四條畷学園小学校

 私学ならではの先進的学習のほか、体験学習や放課後の預かりと習い事が両立できる「放課後教室」など、独自性のある取り組みが多い。
 ネーティブ教員に臆することなく英会話を学ぶ英語教育、友だちと意見を出し合う科学の授業など、児童の〝実体験〟を元に深い専門性を養う。このほか、複数教員の「教科担任制」でサポート。
 学外での「体験学習」は、田舎生活を体験するカントリー(ハーベスト)スティ、修学旅行、自然学校、臨海学校、オーストラリアへの生活体験旅行と、私学ならではの豊富なカリキュラム。
 「放課後教習」は塾替わりにもなる算数国語教室(塾)や英会話、音楽、体操、華道など16教室を用意。「放課後の預かりと併用して習い事や趣味ができてコスパが良い」と保護者から好評だ。

大東市学園町6-45 電話072(876)8585(直通)
http://www.ps.shijonawate-gakuen.ac.jp/