1台で「顔」「髪」「身体」をエステレベルでケアする機器開発 ユニッシュの中西博文社長に聞く

 業務用美容・エステティック機器の開発・製造の老舗「ユニッシュ」が、家庭用に新開発した「イーポレーション・シュプリーム」。1台で顔、髪、体の悩みに対応し、業務用の出力を備えたプロ仕様の製品に仕上がっているのが特徴だ。現在、クラウドファンディングの「マクアケ」に出品中だが、すでに目標金額の1300%の資金を集めるなど、注目度は高い。同社の中西社長に製品の特徴について聞いた。

アタッチメントを変えることで1台で顔、髪、体の悩みに対応する「イーポレーション・シュプリーム」

 ─1台で美顔、育毛、痩身のすべてに対応できるのが画期的です。

 従来の美容家電は、消費者からすれば、どれを買えばよいのか分かりにくい面があったのと、お手入れしたい部位ごとに機器をそろえなければならないので、経済的でないと感じていました。このため、どうしても1台にまとめたかったんです。3種類のアタッチメントを交換することで、フェイシャルケア、ボディケア、スカルプケアにも対応でき、家族みんなで使えます。

 ─御社は美容皮膚科などでの美肌治療、エレクトロポレーション(EP)の技術に定評があります。

 まずEPについてわかりやすく説明しておきましょう。

 そもそも肌にはバリア機能があるので、ハリや潤いを与えるヒアルロン酸やコラーゲンなどの高分子成分をいくら肌に塗っても吸収されません。それならば、分子構造を切断して小さくすれば吸収されるだろうと考え、「ナノ化」した商品もありますが、実は分子構造を切断してしまうと、ヒアルロン酸やコラーゲンが持つ機能が失われてしまいます。

 そこで登場したのがEP導入技術です。特殊な電気刺激で皮膚表面に一時的に透過経路をつくることで、高分子のままの有効成分を肌の奥深くに直接届けられます。驚くほどの違いを実感できますよ。  この技術は「薬物投与装置」として弊社が特許を取得しており、皮膚科などでも使われています。

 ─EPで肌の深いところまで届ける医療レベルの高分子化粧品も扱っていますね。

 はい。肌のハリや弾力、シミや肝斑の除去、脂肪分解による顔やせや部分やせ、育毛などEP用のエッセンスを5種類開発しました。

 目的に合わせたエッセンスを使うことで、得られる美容効果が大きく変わってきます。これがエステサロンや美容クリニックで提供されている本物のエレクトロポレーションシステムです。

 ─EP以外にどんな機能を備えているのですか。

 主な機能では、皮膚の深いところを温めて代謝を上げる「ラジオ波(RF)」があります。

 ─RFはさまざまなメーカーの美容家電にも搭載されていますが、他社製品との違いは。

 周波数に大きな差があります。家庭用の一般的なRFは300キロ㌹ほどですが、この「イーポレーション・シュプリーム」は業務用と同等の1メガ㌹(1000キロ㌹)。つまり、他社の3倍の高周波域を出力できます。

 周波数高くなるほど体の深い部分の温度を上げ、代謝を活発にできるので、フェイシャル、ボディ、スカルプすべてのトリートメントに有効な美容効果が得られます。

 ─片手サイズなのに業務用のパワーを備えているということですね。爆発的に売れる気がします。

 そうなれば良いのですが、現実はそう甘くない(笑)。イーポレーション・シュプリームは6つの特許技術に基づき開発されました。さらに京都大学の特許ライセンス許諾を受けた技術を応用しています。そのほか、すべてのエッセンスの美容効果には必ずエビデンス(科学的根拠)を取得しています。  ところが、こうした科学的根拠を示しても、一般の方々には難しすぎて伝わらない(笑)。一方で、エステティシャンはこの製品一つで「お家サロン」を運営できますので、美容業界の方からは評価が高いのですが…。

 ─どの業界でもハイレベルの製品はなかなか理解されないもの。美容知見を高める活動が必要かも知れませんね。

 はい。業界の底上げのためにも頑張ります。

>>マクアケに出品中の「イーポレーション・シュプリーム」

【企業情報】株式会社ユニッシュ/大阪市中央区道修町2─2─11 ベルロード道修町8.9階 /電話06(4707)7100(代表)