大阪シティ信用金庫がまとめた第234回中小企業景況調査によると、2025年10~12月期の大阪府内中小企業の景況感は、2期ぶりに改善し、持ち直しの兆しがみられた。調査は府内の中小企業1400社を対象に実施し、1247社から有効回答を得た。
中小企業の総合的な実績を示す「総合業況判断DI」は9・5となり、前期(2025年7~9月期)から0・4ポイント上昇した。前期時点の予想値(9・3)も上回り、収益環境の好転が景況感を下支えした。業種別では、運輸・通信業、製造業、サービス業、卸売業の4業種で改善がみられた。
販売数量を示す「販売数量DI」は18・6で、前期比0・2ポイント低下し、2期連続の悪化となった。物価高の長期化を背景に、消費需要の弱さが続いているとみられる。業種別では、運輸・通信業と製造業を除く多くの業種で悪化した。
一方、販売価格の動向を示す「販売価格DI」は30・8となり、前期から0・4ポイント上昇、3期ぶりに改善した。価格転嫁が一定程度進んだことがうかがえる。ただ、小売業では前期比2・0ポイント低下し、消費者離れへの懸念から価格転嫁が難しい状況が続いている。
収益面では、「収益DI」が7・7となり、前期から0・5ポイント上昇、2期ぶりに改善した。需要の弱さは残るものの、販売価格の引き上げやコスト削減が収益を支えたとみられる。運輸・通信業やサービス業、製造業で改善した一方、建設業は人件費の上昇が重荷となり悪化した。
資金繰りを示す「資金繰りDI」は▲7・5で、前期比0・6ポイント悪化し、2期連続で低下した。小売業を除くほぼ全業種で資金繰りの厳しさが増している。
経営上の問題点として最も多かったのは「経費増」(37・3%)で、「売上・受注の減少」(33・3%)、「人手不足」(31・0%)が続いた。小売業では「経費増」、製造業では「売上・受注の減少」、運輸・通信業と建設業では「人手不足」を挙げる企業が最も多かった。
先行きについて、2026年1~3月期の「総合業況見通しDI」は11・3と、今期実績から1・8ポイント上昇する見通しで、全業種で改善を予想している。ただ、コスト高や人手不足といった不安要因は依然残り、改善基調が持続するかが注目される。
設備投資計画については、「計画あり」とする企業の割合が17・3%と前期比0・2ポイント低下した。足元の景況感は改善しているものの、長期的な投資には慎重な姿勢が続いている。
補足調査では、前年同期比の売上について「前年並み」が45・7%で最も多く、「増加企業」は41・1%、「減少企業」は13・2%だった。増加企業が減少企業を大きく上回り、景況感改善を裏付ける結果となった。
また、トランプ米大統領が本年4月に発動した関税措置の影響については、「影響あり」と答えた企業が24・6%と、約4社に1社が既に影響を受けている。「今後影響を受ける可能性あり」とする企業も30・1%に上り、特に卸売業と製造業で影響を懸念する声が目立った。
