肉食恐竜から身を守るためのトゲトゲとした皮骨を持つ鎧(よろい)竜類ズールにスポットを当てた展覧会「恐竜博2023」が、大阪市東住吉区の市立自然史博物館で開幕した。ズールの全身実物化石や復元骨格を展示。世界初公開となるティラノサウルス・レックス「タイソン」の全身骨格なども展示し、肉食恐竜と植物食恐竜の“攻守”それぞれの進化を読み解く。9月24日まで。
ズールは2014年、米国モンタナ州で後期白亜紀の地層から発見。1個体で頭骨から尾の先のこん棒までほぼ完全体で見つかり、「鎧竜の進化を解明する大きな手がかりの一つ」として注目を集めた。アンキロサウルス類の新属新種と分かり、顔が映画「ゴーストバスターズ」に登場する門の神「ズール」に似ていたことから命名。振り回すと恐竜のすねをも破壊する威力があったと考えられる尾の先のこん棒も大きな特徴の一つで、種小名はラテン語ですねの破壊者を意味する「クルリヴァスタトル」と名付けられた。
同展覧会はカナダ最大の総合博物館「ロイヤルオンタリオ博物館」の学術協力を受けて今年3~6月に東京・国立科学博物館で開催し、40万人以上を集めた。生きていた時の姿のように並べた全身実物化石や、ズールとゴルゴサウルスが相対するように展示した迫力の全身復元骨格などが見どころになっている。
また鳥類以外の恐竜が隕石(いんせき)の衝突で生き残れなかった「第5の大量絶滅」を振り返り、突入してしまったと考えられている現代の「第6の大量絶滅」にも着目している。
当日券大人1800円、高校大学生1500円、小中学生700円。問い合わせは電話06(4301)7285、大阪市総合コールセンター。