
大阪の晩秋を彩る風物詩てして親しまれている、日本舞踊の祭典「なにわの彩」が24日、今年も国立文楽劇場大ホール(大阪市中央区)で開かれた。満席の会場は、流派を超えて師匠や家元が繰り広げる競演に、拍手と歓声に包まれ、熱く盛り上がった。
「なにわの彩」は、20年余りの歴史があり、関西アクティング協会本部がコロナ禍の一時期を除いて毎年開催。「各流派を結集した、日本舞踊のステージを披露したい」という、花柳與桂さんや松尾達彦さん(故人)ら草創期のメンバーの地道な努力が徐々に開花。今では「日本舞踊の醍醐味を満喫できる」と開催を待ちわびる市民も多い。
今回も「若柳流」「岩村流」「藤和流」「桐流」「紀乃元流」「双見流」「錦流」「華扇流」「香扇会」「白鷺流」「飛鳥流」「山村流」など各流派がエントリー。個性豊かな演舞の競演で、会場を盛り上げた。
約8時間に渡る最後のステージを締めくくったのは、若柳吉翔さんに続いて、登場した與桂さん。今年の干支(えと)にちなんだ「甦一陽来復 巳(み)」を披露。風格ある舞で、見ごたえあるステージのフィナーレを飾った。
なお、與桂さんは「文化庁 伝統文化親子教室」の日本舞踊指導者として、少年少女の育成に力を入れており、教室の生徒を募集している。問い合わせは同協会本部、電話06(6674)1000
