「ヤングケアラー」支援強化 介護保険の基本指針に明記へ

 厚生労働省は介護保険事業の方向性を決める新たな基本指針の原案に家族を介護する若者「ヤングケアラー」への支援強化を盛り込んだ。

 ヤングケアラーは、病気や障害を抱える親、祖父母ら家族の介護や家事など、本来は大人が担うべき役割を負っている若者。厚生労働省による初のインターネット調査(2020年度)によると、介護を担う中学2年は17人に1人(5・7%)、高校2年(全日制)は24人に1人(4・1%)だった。

 大阪府が府立高校の全生徒を対象にした2022年度調査では、11・4%がヤングケアラーに該当し、6・5%だった21年度調査よりも4・9ポイント増加していた。また、大阪市でも21年11月~4年1月に、市立中学校の1~3年生5万1912人を対象に調査を実施し、該当する生徒の割合は9・1%となり、同年3月の国の全国調査で、中学2年のうち「世話をしている家族がいる」と答えた5・7%を上回っている。