気になる「オーラルフレイル」 早めに気づき適切な対応で健康寿命をUP

 最近よく耳にする「フレイル」とは? 加齢や疾患によって身体的・精神的なさまざまな機能が徐々に衰えたことで、心身のストレスに脆弱(ぜいじゃく)になった状態のことだ。特に高齢者は、糖尿病や高血圧、骨粗しょう症などの慢性疾患、がんなどさまざまな病気を抱えているケースが多く、心身機能の低下と相まって生活機能も低下しやすい。厚生労働省からはさまざまな予防策が発信されている。


 「オーラルフレイル」とは口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含む、体の衰え(フレイル)の一つだ。大阪市都島区にある「虫本歯科医院」内に併設された入れ歯外来の歯学博士、虫本栄子さんにお話を聞いた。 

 「オーラルフレイル」は、主に【むせる】【食べこぼす】【かたい物が食べられない】【滑舌が悪い】といった口の機能低下を指します。放置すると、食が細くなって筋力が落ちたり、話しにくいからと閉じこもりがちになり、健康寿命を左右することにもなるといわれています。

 65歳以上の高齢者を追跡調査した結果、「オーラルフレイル」のある人はない人より、要介護になったり亡くなったりするリスクが2倍以上も高いというデータもあります。まずは加齢による口腔内の機能低下を、早期に自覚することが大切です。生涯にわたり、食べることを楽しみ、会話に花を咲かせ、笑顔が続く健康長寿を支えるために、しっかりと対策を講じてください。

 対策の一つに、私は独自の研究から得た治験を元に〝スウェーデン入れ歯〟をおすすめしています。これは「入れ歯安定剤のいらない総入れ歯」。噛(か)みあわせも三次元測定で調整するのでフィット感もよい。脳機能の活性化につながる〝噛(か)む力〟を衰えさせない設計となっています。

 加えて、「口腔内の自浄作用を助ける部分入れ歯」を使います。こちらは細菌が繁殖しやすくなる入れ歯と粘膜の隙間に、自浄作用が働く仕組みを作り、唾液の持つ『IgA』という免疫の働きを保護します。入れ歯そのものに衛生環境を整える機能があれば、日常ケアのしやすさを実感できます。もちろんデザイン性や審美性(見た目)も問題ありません。

【プロフィル】歯学博士 虫本栄子さん
歯科治療先進国スウェーデンで技術を取得。帰国後30年にわたり、最新技術を大学病院で実践。日本補綴(ほてつ)歯科学会指導医・専門医、日本口腔インプラント学会生涯指導医

■スウェーデン入れ歯 虫本栄子の入れ歯外来/電話06(6921)7062