「すぐ辞める」で人生は開けない 仕事の面白さは、少し辛抱した先にある

 仕事でお金を稼ぐことは、給料に見合った成果を出すことだ。会社で何時間働いたかで給料が決まるのではない。会社は非営利団体ではないので、自分の給料分すら稼げない人材を雇っておくわけにはいかないが、今の日本の法律では、一度雇用すると成果の出せない人材も解雇できないようになっている。そこを忘れて、労働者側の論理だけで話をしても意味はない。
 親しい経営者らの話を聞くと、どこも「人材不足で募集しても集まらない」という。理由の一つは労働者側が仕事を選んでいるからだが、もう一つは面接をしても「雇いたいと思える人がいない」そうだ。
 新卒で入社して1日も経たずに辞める若者が増えているそうだが、たった1日で何がわかるのか。 仕事はそんな単純なものではないし、初日から自分のやりたいことだけをできるほど甘くはない。そんなにやりたいことがあるのならば、就職ではなく起業し、好きなビジネスを始めればいい。
 「石の上にも三年」ということわざがある。一定の期間、辛抱して続けていれば、仕事のコツや知識などが身につき、何よりも継続する力がつく。興味がなかったことですら、面白く見えてくるものだ。
 にもかかわらず、すぐに「嫌だ」「自分には向いてない」など根拠のない理由で離職を繰り返していては、何も身につかない。そんな生き方で年齢を重ねると、正社員で雇ってもらえることが難しくなり、社会で生きることすら困窮するようになりかねない。挙げ句、生活保護を受け、社会に面倒をみてもらわなければならなくなるかもしれない。
 頑張って働く人からすれば、自分たちが納めた血と汗の結晶とも言える税金で、無責任な人生を送る人の面倒をなぜ、見なければならないのか、と思うことだろう。
 昔のように終身雇用ではなくなった労働環境で必要なのは、どんな環境でも与えられた役割を全うする能力だ。そして、自ら積極的にチャンスをつかみ、成果を挙げられる能力だ。すぐ辞めるような人たちは、こうした能力が身につかない。だから、非正規でしか働き口がないし、さまざまな不利益を被りながら人生を過ごすしかなくなる。
 それが嫌なら、やると決めて就職したのだから、できる限りの最善を尽くして成果が出るまでやってみるべきだ。正社員でなく、起業でもいいし、非正規でも割りのいい仕事を探せば、誰にでもできる仕事しかしない正社員よりも稼ぐ術はあるしやりがいも持てる。
 やり方次第、努力次第、自分次第で人生はいくらでも変えられる。あきらめるのは勝手だが、それを社会や他人のせいにしてはいけない。そんなことをしても人生は良くならない。
 自分の人生は自分が決めた方向にしか行かない。そのことを忘れず、進むべき道を切り開いていってもらいたい。

【プロフィル】米ニューヨーク州立大ビンガムトン校卒業。経営学専攻。NY市でメディア業界に就職後、現地で起業。「世界まるみえ」「情熱大陸」「ブロードキャスター」「全米オープンテニス中継」などの番組製作に携わる。帰国後、ディスカバリーチャンネルやCNAなどのアジアの放送局と番組製作。経産省や大阪市等でセミナー講師を担当。文化庁や観光庁のクールジャパン系プロジェクトでもプロデューサーとして活動。
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