他人任せの人生、もうやめよう 守りから攻めの経済システムへ転換を

【外から見たニッポン・岡野健将】

 昨年はトランプ米大統領に振り回された1年でしたが、今年も早々にトランプ大統領がベネズエラ攻撃と同国大統領の拘束という世界のルールを無視した暴挙に出ました。
 しかし、そのインパクトに比べ、私たちの日常生活への影響は今のところ幸か不幸か小さいようです。
 今年も世界はトランプ大統領に振り回される1年になりそうですが、米国自体は景気が後退気味とはいえ、まだまだ強い。米国ではこれから、法人税の減税や個人所得税の還付、新生児には投資口座の開設と資金の提供など大盤振る舞いの政策が続きます。FRB(連邦準備制度理事会)の金利は下げ傾向で、海外からの資金の流入、とあげればキリがないほど経済にプラスの要素がてんこ盛りです。実はこれらは全てトランプ大統領の功績なのです。
 経済やビジネス面では、AIブームに始まり、昨年はデータセンターの建設に何百兆円もの資金が投入され、今年は同センターを利用したAIサービスがどんどん普及し、宇宙関連分野とともに成長をけん引するでしょう。
 結果として米景気は底堅く、株価も昨年に引き続き上昇し、過去最高額を記録するのはほぼ間違いないでしょう。
 途中、下げる場面や暴落もあるかもしれませんが、最終的には今より高い株価水準で終えるはずです。
 一方で、昨年から高値を出し続けている日本株は、いつ暴落してもおかしくない不安定な雰囲気があります。日本経済は皆さんが感じているように、決して景気が良いわけではありません。一部の企業だけが儲けていて、富裕層がよりリッチになっても、多くの国民は上がらない給料と物価高で苦しい生活を続けていくしかない状態にあります。
 この状況を良しとしないのであれば日本はもっと規制を緩和し、新たな挑戦をしやすいように参入障壁を取り去って、守りから攻めの経済システムへ転換するべきです。「先例がない」という言い訳を認めず、既得権益を持つ団体や組織ばかりを保護せず、自由経済の中であらゆる相手との競争にさらすことで、消えるべきものを淘汰し、勝ち残るもので市場を形成する資本主義の原理に立ち返るようにするべきでしょう。
 金融課税や富裕層をターゲットにした増税など、もってのほかの愚策です。
 個人レベルでみてもまだまだ転職して給料をアップできる人は少なく、注目を集める新NISAも3000万口座に達しておらず、その程度しか活用されていないのが現状です。まだまだ保守的なやり方で労働対価だけに頼っている日本人が多すぎます。
 皆、平等に貧乏で貧相な発想しかできないのは不幸でしかありません。公平に権利を与え、頑張った人にはそれなりの結果が伴う。結果に個人差があろうと、それは平等な社会での自然のなり行き。結果を無理やり平等にしようとするから不公平になるのです。
 スタート地点の機会や権利を平等にして、後は個人の努力に委ねる。そうすれば、できる人が社会をけん引し、成長し続けられるはずです。それこそが平等な社会と言えるのではないでしょうか。
 昨今の日本社会は、あまりにも〝他人任せ〟の人が多いように感じます。ろくに努力もせず、文句だけを言い、さも社会が不平等かのようにふるまっています。
 そんなことをしていても問題は解決しないし、人生もよくならない。自分の人生は自分のものです。自分が下す判断の連続で生み出した結果です。そこに目を背けず、しっかりと向き合い、受け入れることが大事なのです。
 年の初めに「自分がどこに向かいたいか」「どんな1年を過ごしたいか」「そのためには何が必要か」を一つずつ分解して考えてみませんか。みなさんがそれぞれの答えに向かって、明るい1年を過ごせるように願っています。

【プロフィル】米ニューヨーク州立大ビンガムトン校卒業。経営学専攻。NY市でメディア業界に就職後、現地で起業。「世界まるみえ」「情熱大陸」「ブロードキャスター」「全米オープンテニス中継」などの番組製作に携わる。帰国後、ディスカバリーチャンネルやCNAなどのアジアの放送局と番組製作。経産省や大阪市等でセミナー講師を担当。文化庁や観光庁のクールジャパン系プロジェクトでもプロデューサーとして活動。
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