塩野義製薬(大阪市北区)は3月19日、うつ病治療薬「ザズベイカプセル30㍉グラム」(一般名ズラノロン)の販売を開始したと発表した。国内で初めて承認された新しい作用の仕組みを持つ薬で、うつ症状の早期改善が期待されるという。

本剤は、脳内で神経の働きを調整する「GABA(ギャバ)受容体」と呼ばれる部分に作用する。これは、神経の興奮を抑える働きを持つ仕組みで、気分の安定に関わるとされる。同社によると、国内の臨床試験では、1日1回30㍉グラムを14日間服用することで、比較的早い段階でうつ症状の改善が確認された。複数回の投与でも、安全性に大きな問題は見られなかったとしている。
日本のうつ病患者は約500万人と推計され、日常生活や社会活動に大きな影響を及ぼす病気の一つとされる。従来の治療薬は効果が現れるまでに数週間かかる場合が多く、より早く効く治療法へのニーズが高まっていた。
同社は「治療の初期段階から症状の改善を目指せる点で、これまで満たされていなかった医療ニーズに応える可能性がある」としている。今後は、うつ病を含む生活の質(QOL)に関わる疾患の分野で、研究開発や供給体制の強化を進める方針だ。
