箕面市の小6生が菊炭づくり 地域の伝統文化学ぶ

 箕面市下止々呂美の「中政園(なかまさえん)」で、同市立とどろみの森学園6年3組の児童が地域の特産品である〝菊炭(きくずみ)〟づくりを2月24日に体験した。

 この取り組みは、地元の伝統文化を知る総合的な学習の時間の一環として行われたもので、児童たちは全身灰まみれになりながらも熱心に作業に取り組んだ。「窯の中は真っ暗だったけど、大きい炭を見つけて、かごに移していくのが楽しかった」と参加した児童は話した。

狭い窯の入顔を真っ黒にしながら挑む不便な作業の先に、本物の手触りがある

 菊炭の原料には、樹齢10〜20年のクヌギが使用される。伐採後の切り株から再び新しい芽が生える〝萌芽更新(ほうがこうしん)〟により、約8年で再び炭づくりに適した太さに成長するサイクルが、〝里山林の循環〟を支える役割を果たしている。

 児童たちは、校内で計画的に伐採されたクヌギを使い、直径約2㍍のドーム型をした〝中政園窯(なかまさえんがま)〟で焼き上げられた炭の取り出し作業に挑んだ。児童は「綺麗な炭を選別する作業が難しかった」と話していた。

窯を前に、期待と緊張の面持ちで中を覗き込む児童たち

 作業当日、児童たちは「炭を取り出す係」「運ぶ係」「箱に詰める係」に分かれ、すべての役割を経験できるようローテーションで活動した。断面が菊の花のように美しく割れる菊炭は、火付きや火持ちが良く、パチパチとはじけにくい特性から、古くより茶席などで重用されてきた高級炭だ。「多くの炭の中から綺麗で黒光りしている菊炭を発見した時にとてもうれしくなった」と、児童は普段できない体験を楽しんでいた。  

完成した“菊炭”を手に、その魅力を語る中上忠彦さん

 1955(昭和30)年代以降、生活様式の変化や生産者の高齢化により炭焼きは激減し、現在、市内で現役の窯は一つのみとなっている。20年以上前から体験を受け入れている中上忠彦さんは「ボタンひとつで用が足りる現代だからこそ、手間をかける昔の暮らしを知ってほしいと願っている。この体験が、昔の文化や里山について考えるきっかけになればうれしい」と話した。

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