【シニアの職場拝見】
「人生100年時代」―。健康寿命を延ばすには、地域社会や人と交流し、生きがいを持って暮らすことが重要だ。60歳以上のシニア世代がいきいきと働ける機会を提供する、門真市シルバー人材センターの会員を取材した。

門真市四宮にある一瀬製作所では、2人のシルバー会員が活躍している。小林健治さん(77)は、2024年9月から塗装業務を主に担当している。同社の一瀬勇樹社長は当初、現場の要望に応じ、テープカットなどの補助作業を依頼するため、門真市シルバー人材センターへ相談していた。ところが、紹介されたのは塗装店で長年の勤務経験をもつ小林さん。まさに〝うれしい誤算〟だった。

「塗装技術は僕らよりも上手。テキパキしていて、いい人が来てくれた」と社長は大絶賛。小林さん自身も「ステンレスの焼付塗装は初めてだったが、やってみると面白い」と仕事のやりがいを語る。「入職してすぐなのに忘年会にも呼んでもらえた」と笑顔を見せる。
天久妙子さん(71)は、24年2月から経理補助として働いている。沖縄から上阪し、最初の5年間は孫の子守りに専念していた。時間にゆとりが生まれたことから、同センターに登録。経験者として、希望通り経理の仕事に就くことができた。離職中にパソコン環境が大きく変わっていたため、当初は苦労したものの、分け隔てなく接してくれる社員の助けもあり、今ではすっかり仕事に慣れたという。休日には友人と「昼飲み」を楽しんでいるという。

<取材協力>公益社団法人 門真市シルバー人材センター/門真市柳町11-2/電話06(6905)5911
