10年後には1日あたり384万人の労働力が不足する見通し、その対策は?

申請可能なITツールが拡大された「IT導入補助金」

[プロフィル] なにわのみやコンサルティング増田昌代 1972年生まれ。立命館大学大学院経営管理研究科修了(MBA取得)、中小企業診断士。大手IT企業の経営企画室での経験を基盤に、複数業界でのキャリアを構築。東証上場企業の広報IR責任者を経て2024年に独立。データ分析に基づくWEBマーケティング戦略立案と各種補助金活用支援を得意とし、中小企業の持続的成長をサポート。

 パーソル総合研究所の最新調査「労働市場の未来推計2035」によれば、10年後の2035年には、1日あたり384万人の労働力が不足すると見込まれています。これは、23年と比べて人手不足が1・85倍深刻になるという衝撃的な予測です。
 人手不足を解消するための対策としては、次の4つが挙げられています。
・働く女性を増やす
・働くシニアを増やす
・働く外国人を増やす
・生産性を上げる
 これらの解決策は、大きく「労働力の増加」と「労働力不足の緩和」に分けられます。女性やシニア、外国人の働き手はすでに増加傾向にありますが、生産性の向上については業種によって差が大きく、特にサービス業、医療・福祉、卸売・小売業で課題が目立ちます。
 こうした生産性向上を後押しする施策の一つが「IT導入補助金」です。中小企業や小規模事業者の業務効率化やDX推進を目的に、各種ITツール(ソフトウェア、サービスなど)の導入が支援対象となります。相談対応のサポート費用やクラウドサービス利用料も含まれるのが特徴です。
 申請にあたっては、制度の目的を理解したうえで、IT導入支援者として登録されたITベンダーやサービス事業者とパートナーシップを組む必要があります。申請枠は5種類あり、補助額は最大450万円、補助率は1/2〜4/5。比較的安価なITツールの導入にも活用できます。
 IT化は、まずペーパーレス化から始め、次に業務プロセスの一部や全体をデジタル化していくのが基本的な流れです。ITに抵抗や不安がある場合には、中小機構の「ITサポートセンター」や大阪府よろず支援拠点で無料相談を受けることもできます。
 そして何より重要なのは、社長自らの意識改革です。トップの意思決定こそが現場を動かし、会社全体を変える原動力となります。

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