【外から見たニッポン】大阪にカジノがあってもいいでしょ!

Spyce Media LLC 代表 岡野 健将

Spyce Media LLC 代表 岡野健将氏
【プロフィル】 State University of New York @Binghamton卒業。経営学専攻。ニューヨーク市でメディア業界に就職。その後現地にて起業。「世界まるみえ」や「情熱大陸」、「ブロードキャスター」、「全米オープンテニス中継」などの番組製作に携わる。帰国後、Discovery ChannelやCNA等のアジアの放送局と番組製作。経産省や大阪市等でセミナー講師を担当。文化庁や観光庁のクールジャパン系プロジェクトでもプロデューサーとして活動。

 先日の統一地方選挙でカジノを含むIR構想を押し進める維新が圧勝し、それに合わせる様にそのIR構想が政府から認定されました。課題は山積しているにせよ、これでカジノを含むIRの実現が進展して行く事が明確になりました。ただ、それでも反対する人はいて、その多くが「ギャンブル依存症」や「犯罪の増加」を理由に挙げています。

 今回の大阪が提案したIR構想はシンガポールのカジノを含むIR施設を参考にしています。そこには有名なMarina Bay Sandsホテルやミュージアム、大型コンベンションセンター、ショッピングモールやレストラン、それに広大な屋外パークエリアと共にカジノがあります。私も何度もここに行ったことがあり、食事をしたりコンベンションセンターで開催されたイベントに参加したり、パークで楽しい時間を過ごしたりしました。

 ホテルは最高級クラスでショッピングセンター内に出店しているのも高級ブランド店やフェラーリ、アメックスなどです。利用者はお金持ち、その雰囲気を味わおうとする観光客、ホテルやコンベンションセンターを利用するビジネスマンなどです。この場所を訪れて「怖い」と思ったことは一度もありませんし、シンガポールの地元の人で不審に思う様な振る舞いをしている人を見た事もありません。

 カジノの利用者の多くは外国人で、入場する際にはパスポートなどのIDと入場料が必要なので、パチンコ屋へ行く様にふらっと入って行く事は出来ません。夢洲に建設されるカジノも同様にID提示や入場料課金がなされます。日本人はカジノと聞くと薄汚いとか危ないというイメージを持ってるか、パチンコや公営ギャンブル施設と混同しているのではないかと思ってしまいますが、シンガポールにあるカジノを含むIR施設はその様な場所とは全く別物です。

 カジノの本家であるラスベガスも、私が初めて訪れた頃はマフィアが取り仕切っていて危ない雰囲気があった事は事実ですが、30年近く前からギャンブルの街ではなくファミリーが楽しめるエンターテイメントの街として転換していき、今では世界最大のエンタメの聖地の様な存在になっていて、シンガポールと同じく高級ブランド店が集積するショッピングセンターや、ファミリーで楽しめるエンタメ施設を含むホテルが多数あり、そのホテルそれぞれにカジノがありますが、至って健全に運営されています。

 アメリカなのでシンガポールほど安心安全とは思いませんが、子供をつれてバケーションに行く目的地として検討出来る場所です。

 IR事業による経済効果や雇用促進というプラスの側面を考えると、実際に海外で成功しているカジノを含むIR施設を体験している者としては、「とにかく反対する」というのはどうかと思います。依存症や危険だと言う人には一度海外のIR施設を体験してきては、と言いたいです。そうすれば不安な気持ちの大部分は拭われるのではないでしょうか。現実を見ずに何でも反対する人は大阪には必要ないでしょう。