Spyce Media LLC 代表 岡野 健将

環境問題は存在しないかの発言を連発するトランプ大統領。一方で環境汚染などで普通の生活が送れない人も。米国暮らしの頃は、化学薬品や農薬漬けの食材を食べたり、化学物質まみれの洗剤やシャンプーを使っていたので、ある時から肌荒れや内臓の不調を感じるようになりました。私に限らず、多くの人が抱える問題でもあるでしょう。
地球規模の社会問題に対し、少しでも世の中を良くしようと活動する万福公至さん。彼のコインランドリー「Panndry パンとランドリー」は、環境負荷がかからない植物由来の洗剤を使い、柔軟剤は禁止。普段、自宅で柔軟剤を使っている人はお断りするほどの徹底ぶり。
洗濯物に香りをつける芳香剤にはマイクロプラスチックが含まれることから、アレルギーや体調に異変が出る子どもたちが増えています。いわゆる香害。また、マイクロプラスチックは最終的に海に流れ、食物連鎖を通じて人間に蓄積されます。
この問題の根源を絶つため、現在の仕組みを導入したそうで、多くの人から感謝の言葉をいただくようになったそうです。
コインランドリービジネスはこれまで、効率化や利益率を追求し、どれだけ儲かる投資先か? という視点でしかみられなかった中、彼の取り組みは異例。ランドリーを使用したくてもできなかった層の新たなニーズを掘り起こし、他との差別化にも成功しています。コインランドリー店アワードで最優秀賞も受賞されました。
「どれだけ儲かるか?」から「社会課題を解決するための方法は何か?」を起点にアイデアを想起し、困っている人の役に立つ。ビジネスモデルを考える上で、発想を形に変えていくプロセスとしては理想の姿ではないかと思います。
万福さんのコインランドリーは大阪市平野区にあり、府外からも利用者が訪れています。もし、あなたや家族が化学物質が原因の体調不良で悩んでいるなら、現地で相談してみてください。営業日の日中はいつでも相談に乗ってくれるそうです。
個人的にはトランプ大統領のような人に万福さんの話を聞いてもらいたいです。トランプの今のやり方をみていると、彼が「この洗剤以外国内使用禁止」と言えば、米国内の環境問題の大部分が一瞬で消えてしまうかもしれないと思います。
最後に万福さんから聞いた言葉で締めくくります。
あなたが問題を知った時、気づいた時、それに対して行動を起こしたら、あなたは解決策の一部になりますが、もし何もしなければ、あなたは問題そのものの一部になってしまいます。
さあ、あなたはどう行動しますか?