葵かを里が作曲家の弦哲也から初提供された「華厳の滝」にかける思い

日舞の振り付けを交えて歌う葵

 日舞を踊りながら歌う異色の艶歌歌手、葵かを里がデビュー20周年記念最終章として作曲家、弦哲也から初提供された「華厳の滝」を、「大阪発流行歌ライブ」で披露。壮大なスケールの曲調と華麗な日舞の組み合わせは生歌を見聞きでこそ迫力倍増する。猛暑の季節を一瞬涼やかにする舞に満員の観客から盛んな拍手と声援が送られた。

指先のメリハリが光る葵

 ご当地曲を得意とする葵は、昨春に「城端曳山祭」(富山県南砺市)、昨秋は「西陣おんな帯」(京都市)、そして今春には「華厳の滝」で栃木県日光市と本州内を駆け巡り。曲のバックにある地域性理解に何度も現地を訪れ、独特の空気感の尊重を忘れない努力家。そのせいか歌唱後は観光大使やPR特使を委嘱される事も多い。

 この日も夏らしい深いグリーンの着物で舞台を務め、終了後は流れる汗を簡単に拭っただけでCD即売会に顔を出しファンと直接交流、サインや写真撮影に応じた。

「大阪発流行歌ライブ」出演者勢ぞろい。右から2人目が葵

 弦哲也からの楽曲初提供について葵は「とにかく曲のスケール感が大きくて、先生の代表作『天城越え』(1994年、石川さゆり)を思い浮かべました。〝この歌の感動感激を伝えるには、今までの私の歌い方ではダメだ〟と感じてイチから先生に教えて頂きました。アレンジも先生主導でどんどん変わり、最後に今の曲調と歌い方に。私自身迷いもありましたが20周年で原点に帰った思いです」と感激の面持ち。「踊りも原型イメージは先生が考えて下さいました。荘厳な滝を表現してみました」と手応えを感じている。

終演後のCD即売会でファンと語らう葵

 恒例のファン参加カラオケ大会の10月東京開催も決まった。「華厳の滝」CD内に入っている応募券と音源などを8月末締め切りまでに送ると、審査を経て参加できる。

(畑山 博史)