「外国人材の活用は不可欠」ソルテック工業 地域経済発展に寄与、同社・薛社長が「中小企業応援士」に

中小機構近畿本部の村上裕二郎本部長(左)から委嘱を受けた薛社長

 各種プラント設備の製作や据付・配管工事を手がける「ソルテック工業」(大阪市生野区)の代表取締役社長・薛(せつ)章彦氏が、「中小企業応援士」に委嘱された。

 「中小企業応援士」は、中小企業・小規模事業者の成長と地域経済の発展に寄与した企業経営者らに対し、中小機構が委嘱する制度。2019年度に始まり、各地の支援機関とも連携しながら、地域経済のさらなる活性化と中小企業の飛躍を後押ししている。

 ソルテック工業は1985(昭和60)年創業。プラント設備の製作から施工までを一貫して担い、国内外で事業を展開してきた。中でもベトナムには早くから工場を構え、現地での人材育成にも注力。現地法人にも約550人が在籍しており、そのリーダー層の多くは、日本で研修経験を積んだ人材が担っている。日本国内にはベトナム出身のスタッフが60人以上在籍するほか、社員約170人のうち半数近くを外国籍スタッフが占める。薛社長は「日本の製造業を維持するには、外国人材の活用が不可欠。国籍に関係なく、まじめに働き納税する人は、社会の中で尊重されるべきだ」と語る。

 同社では中小機構の中小企業大学校を活用し、社員のスキル向上にも力を入れてきた。新入社員から中堅層まで目的に応じて多様な講座を受けており、薛社長自身も「損益計算の見方など、経営者として知っておきたい内容を学ぶ機会になった。安価で実践的な内容が多く、他社にも勧めたい」と話す。

 さらに薛社長は「どれだけ力になれるかはわからないが、勉強会や見学を通じ、多くの人に関わってもらえる機会があればありがたい。自分の経験が少しでも誰かの役に立てばうれしく思う」と、応援士としての思いを語った。