
大阪・関西万博でスウェーデンのナショナルデーが14日に実施された。
当日は、カール16世グスタフ国王陛下も臨席。国王は、1970年の初来日以降、20回ほど日本を訪れているという親日ぶりだ。

第一部では、パフォーマンスやパレードが実施された。オープニングセレモニーでは、日本の人気アーティスト複数にも楽曲提供するスウェーデンの世界的なプロデューサー・アルビン・ノルドクビスト氏と、シンガーのマリン・クリスティン氏がパフォーマンス。SixTONESに提供した楽曲「Everlasting」など、日本にゆかりのある曲を披露し、会場を盛り上げた。

パレードではスウェーデンの伝統衣装を身にまとったパフォーマーを含む約80人のボランティア参加者が、音楽の生演奏に合わせて北欧パビリオン周辺を練り歩いた。

午後からは政府関係者や、日本とスウェーデン両国にかかわりのある企業関係者らが集い、ビジネスサミットが行われた。スウェーデンの首都・ストックホルムはハイテク企業が多く集まる地域で、グローバル本社を置く企業も多い。サミットでは、Confederation of Swedish Enterprise(スウェーデン企業者連盟)のヤコブ・ヴァレンべリ会長と関西経済連合会・松本正義会長のディスカッションや、スウェーデンと日本両国の企業・教育機関のリーダー12人による講演が行われた。

スウェーデンといえば、ノーベル賞の選出・授与が毎年行われる場所。今回、ノーベル賞に深いかかわりのある日本人として、iPS細胞の発見でノーベル賞を2012年に受賞し、また今回の万博のアンバサダーを務める山中伸弥教授が基調講演を行った。

講演では、iPS細胞発見までの道のりと、再生医療・創薬などの実用化に向けた現在の動きを紹介した。また現在の課題として、資金調達の壁を超えられず学術研究が事業化にいたらないというように、学術界と産業界のあいだには「死の谷」があると指摘し、「その谷を克服してiPSのテクノロジーを早く患者に届けたい」と話した。また万博については「多くの若い人が足を運び、科学に興味を持ってもらい」と語った。
ビジネスサミットの後は、北欧パビリオンでサミット参加者による交流会が行われた。ナショナルデーを通じて、スウェーデンと日本のパートナーシップ、また両国が共有する価値観として「持続可能性」「イノベーション」「創造性」を再確認する場となった。
各国の文化や技術を一般向けに紹介するだけでなく、外交やビジネスの発展の場としての側面も持つ万博。万博での交流を経て、大阪が国際都市として発展することを期待したい。