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【大阪関西万博】真珠で栄え、石油でリッチになったカタール

 1800年代、天然真珠で生計を立てていた国民が大半だったカタール。その後、石油や天然ガスの採掘が始まり、一気に様変わりした、その歴史を辿(たど)れる様な作りになっているのがカタールパビリオン。

 白いユニークなデザインの建物の奥へ歩いていき、建物の中ほどから館内へ入る。

 館内は、過去に真珠を採取していた頃のカタールと現在のカタールを比べる地図があり、そこで日本人のスタッフが手短に同国のここ150年くらいの歴史を説明してくれる。

 カタールの半島をコースに見立てて海岸線を一周する様に、各地域や都市などを紹介する区分が並べられている。

 外周に取り囲まれる様に真ん中に確保されたスペースでは靴を脱いでリラックスした体勢でビデオを視聴でき、そのビデオはカタールの自然や歴史、近代化の様子など多面的なカタールの姿を映し出している。

 一通り巡ると、あとはギフトショップとなるが、ギフトショップの入り口部分の左側の壁には女性の伝統的な衣装が飾られていて、右側には真珠を採取する際の漁師たちの格好や道具が飾られていた。

 1930年頃まで、カタールではここに置いてある様な道具を使って真珠を採取していたそうだが、化石燃料へのシフトと、日本の養殖真珠の躍進がカタールの真珠採取業を追いやっていったと説明を受けた。

 カタールパビリオンは、UAEパビリオンの隣にあり、実際の国も隣同士だが、パビリオンの作りも内容も大きく違っていて、そういう違いを感じられるのも万博の楽しみの一つかもしれない。