
日増しに来場者数を延ばしている大阪・関西万博。つい先日開幕したようにも感じるが、会期の折り返し地点も間近だ。そんな万博の後半戦に期待を寄せるのは、国と企業だけではない。自治体として唯一、大阪・関西万博へ出展している八尾市は開幕1年前より機運醸成に勤しんできた。同市出身で取り組みに興味を募らせた記者は、「政策企画部やおプロモーション・万博推進プロジェクトチーム」の南さん、水流さんに話を聞いた。(西村由起子)

自治体で唯一、八尾が大阪・関西万博に出展
南さん(以下敬称略):大阪・関西万博は「大阪ウィーク」といって春・夏・秋の3回にわたって、大阪府と府内43市町村が力を合わせてたくさんのイベント(約400プログラム)を実施。もちろん八尾市も「大阪ウィーク」にさまざまな形で出展しますが、これに加えて、「大阪パビリオン」の展示・出展ゾーンに出展をしている唯一の自治体が八尾市なんです。
南:「大阪パビリオン」とは正式には「大阪ヘルスケアパビリオンNest for Reborn」で、大阪・関西万博の地元である大阪府と大阪市が出展する話題のパビリオンです。「REBORN」をテーマに、「いのち」や「健康」という観点から、未来の健康・医療やエンターテインメント、大阪の食・文化などをワクワクしながら体感できる体験・参加型の展示が予定されています。その中に週替わりで設置される、大阪の中小企業・スタートアップの技術力や魅力を国内外に広く発信する「展示・出展ゾーン(リボーンチャレンジ)」に同市が認定されています。ただし、こちらは行政ではなく、同市の企業が複数連携し合って行う取り組み「まちこうばのエンターテイメント!~みせるばやおモデル~」となっています。

水流さん(以下敬称略):おかげさまで「大阪ウィーク〜春〜(5月9〜18日)は無事に終了しました。EXPOアリーナ「Matsuri」では【大阪の祭!〜EXPO2025春の陣〜】が行われ、だんじり・やぐら・太鼓台などが大集結しました。大阪府全域の祭を一堂に体験できる貴重な機会に、同市も「ふとん太鼓」を披露しました。
南:同じく「大阪ウィーク〜春〜」の別会場、EXPOメッセ「WASSE」では地域の魅力発見ツアー「みなはれ・やりなはれ・たべなはれ」が開催されました。各市町村の名産、特産を扱うブースが所狭しと並ぶ中、同市も楠喜(くすき)さんのそばや風土菓桃林堂さんの和菓子のほか、八尾産の若ごぼうや枝豆にちなんだグルメを出展。同市の特産品である河内木綿と里山保存活動について動画と展示でPRするブースでははた織りや糸つむぎ体験を実施しました。


水流:現在(取材時)はちょうど大きな催事の狭間の期間でして、同市では夏に向けて準備を進めている時期ですが、市内の企業や個人・グループが出展されています。このほかの参画のスケジュールなどの概要を知りたい場合は、同市のホームページに載せていますので、ご確認ください。
南:水流くんが頑張ってホームページを更新してくれるのでネットで検索すると上位表示されているんですよ。おかげで市外の遠方の人から「万博への行き方を教えてほしい」と問い合わせもあるぐらいでして…万博コンタクトセンターだと電話が繋がらないようで、その都度、お問い合わせをいただいています(笑)
万博後半戦への意気込み

南:「大阪ウィーク〜春〜」に参加してみて思ったことは、府内の市町村は、万博を魅力発信の絶好の機会ととらえて、最大限の工夫を凝らしてアピールされていましたね。わが市も、もっと来場者に八尾の魅力をアピールしていかないといけないと感じました。
水流:アピールが控えめだったかもしれませんね。
南:7月27日の「大阪ウィーク~真夏の陣~」は交流盆踊りもありますし、河内音頭発祥の地としてはどんどんアピールして、八尾に関心を持っていただき、たとえうっかりでもいいので(笑)八尾に来ていただける人が増えるようにしなければ。
水流:そうですよね、夏や秋はもっともっと思い切り、熱く、目立っていきたいと思っています。
世界中の国々が開催地に集結し、互いの文化や伝統、最新技術に目をみはる万博。自国が開催地に選ばれるということは、自国にいながらにして、海外のエッセンスに触れられるまたとない好機である。ゆえに、万博に足を運ぶとついつい華やかな海外パビリオンに目も足も向いてしまうのは当然だが、地域の魅力や地元企業の取り組みに注目してみる時間を作ってみるのもおすすめだ。