好奇心が刺激されるユニークな国が集まるコモンズ館。B館には「これ」という1つのテーマでパビリオンを統一して推しまくる国がある。それがレソト、コートジボワール、そしてソマリア。今回はその中からレソトを紹介。
南アフリカ共和国に囲まれた国、レソト。英国が南アフリカ共和国を植民地化した際、レソトはすでに王国として独立を維持していて、国土の殆どが標高1500メートル以上の高地にあったため、攻め落とされることなく、独立を保ってきたという歴史を持つ小国だ。
アフリカ大陸にありながら、高地のため降雪もあり、シーズン中はスキーも楽しめる。
ヤギや羊を飼っていたことから上質のウールやカシミヤを生産する様になり、繊維製造業が発展した。その関係で、レソトパビリオンの展示は多くが衣類関係のもので占められている。他には編んだり、裁縫の技術を生かした民芸、工芸品が並んでいるが、一目見るだけでその質の高さがわかるほどの出来栄え。デザインもセンスを感じるオシャレさがある。 製造される衣類は50%が南アフリカ共和国へ、残りの50%はアメリカへ輸出されているので、トランプ関税の行く末に戦々恐々しているという。
マネキンに着せて展示している服は、年配向けや若者向けなどそれぞれにヒットしそうなデザインや質感、スタイルなので、もし日本に入ってきたら、それなりにファンを獲得するのではないだろうか。
また、有名ブランドのOEM(受託)も受けており、展示されていたジーンズは米国の某ブランドのタグがついていた。
国旗に描かれている帽子の絵は、モコロトロというソト族が被る伝統的な帽子を模写したもの。
そしてその帽子は、パビリオンの奥に置かれている模型の山を模写したもので、この山は同国では皆から崇められる神聖な存在。
現在、レソトの物品は日本には入ってきていないが、今回の万博をキッカケに市場を開拓したいという思いがあるので、ファッションやアクセサリーに興味のある人はパビリオンを覗いて、自分の目でその品質や出来栄えをチェックして商談をしてみるのも面白い。