暮らし

介護支援制度が強化 企業に新たな努力義務

 4月から「育児・介護休業法」が改正され、介護や育児と仕事の両立を支援する新たな制度がスタートした。入園式や卒園式などの学校行事や学級閉鎖などで休暇が取得できるなど大きく内容が改正された。共働き世帯が増える中、企業側の対応も求められている。

※イメージ
※イメージ
スポンサーリンク

卒入園の休暇も可能に
改正育児介護休業法施行

 改正法の中で注目されるのは、育児に関する支援措置の拡充だ。これまで「小学校入学まで」だった子どもの看護休暇の適用範囲が「小学校3年生修了まで」に拡大されたほか、看護休暇の対象理由として、「病気・けが」「予防接種・健康診断」に加え、「感染症に伴う学級閉鎖等」「入園(入学)式・卒園式」が新たに加わった。また、雇用継続期間6カ月未満の従業員は子どもの看護休暇の対象外としていた規定も撤廃された。

 さらに、残業免除規定の適用範囲も、従来の「3歳未満の子どもを養育する」から「小学校就学前」に拡大。さらに育児のためのテレワーク制度の導入が企業に努力義務化された。
 そのほか、男性の育児参加促進を目的に「育児休業等の取得率」「育児休業等と育児目的休暇の取得率」の公表が義務付けられる企業の対象が、これまでの「1001人以上」から「301人以上」へ拡大された。

 介護に関する新たな措置も導入され、介護と仕事の両立支援が一層重視されることとなった。
 企業は、介護を必要とする従業員に対し、介護と仕事の両立支援制度などの情報を個別に提供し、また早期に制度の存在を周知する義務を負う。さらに、介護が必要となった時期にはテレワークを選択できるようにする努力義務も企業に課せられた。
 加えて、介護休暇取得の適用対象外となる従業員の条件が、従来の「勤続6カ月未満」から「週の所定労働日数が2日以下」に変更された。これにより、より多くの従業員が介護休暇を取得しやすくなる。

 なお、同法律に違反した企業に対しては、行政が是正勧告を行うことができ、勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性もある。企業には、法令遵守を徹底するための体制の整備が求められている。