〝わんこ〟は大事な家族の一員 お出かけをもっと自由に。もっと楽しく

「西日本でペットツーリズムを盛り上げるのが今の野望」と熱意を燃やす小西さん

愛犬とのお出かけ情報メディア「おでかけわんこ部」

 9万人以上の愛犬家がSNSをフォローし、話題になっている愛犬とのお出かけ情報メディアがある。それが小西恵子さんの運営する「おでかけわんこ部」だ。

 「過去に悲しい出来事があり、未来に希望が持てない時期がありました。そんな自分を変えてくれたのが愛犬との出会いです。飼うつもりはなかったのに、抱いたら心が満たされて」と、振り返る。

 それからは、愛犬と一緒に入れるカフェに行くのが楽しみになったという。そうして気づいたのが、犬と一緒に過ごせる施設の情報が、あまりにも見つけにくいということ。小西さんは「ネットに点在する情報を見やすくまとめれば、多くの飼い主さんに役立つかもしれない」と考えたという。それが「おでかけわんこ部」を立ち上げたきっかけだ。

 起業したのは2020年。まさにコロナ禍で緊急事態宣が出ていた真っただ中だ。外出のコンテンツだけに、躊躇する部分もあったという。それでもスタートした理由は、フォロワーの急激な増加に加え、「今は難しくても、外出が解禁された時のために情報を保存しておきたい」などの声が背中を押してくれたから。確かな必要性を実感したという。また、旅行業界ではインバウンドが減少したため、新たな需要の掘り起こしとして愛犬連れプランを用意する宿泊施設が急増した。だが、「ペットOK」でも実際に訪れると大型犬は不可だったなど、細かい条件が載っていないケースも少なくないとか。こうした情報のニーズに応えることも重要な役割だ。「いずれは災害時の避難所や動物病院の情報など、お出かけの領域を超えて、暮らしをサポートする機能も追加していきたい」と未来を見据える。

 外出先での過ごし方まで配慮して、マナーやしつけ分野にも力を入れる。ドッグトレーナーが悩みを聞き、尿や吠え癖などの解決に協力してくれる「マナー体験イベント」もその一つ。ペットは家族の一員といわれる時代。「みんなで自由にお出かけを楽しみ、安心して寛いで欲しい」という思いが滲む。

(紙面・女性起業家特集より抜粋)

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おでかけわんこ部 https://odekake-wanko-bu.com/